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№1202 不良社長の転落の構図

№1202 不良社長の転落の構図

 社長が不良化すると会社はたちまち傾いていく。その最たるものが公私混同だ。不良社長は会社の経費を利用して、ポルシェやベンツを買い、会社の経費で家族旅行や家族の私物を買っていく。時には100万円するようなバックを買ったり、信じられない浪費が行われたりする。

 こうした現象は人体に巣くった癌のようなところがある。利益のある会社では不良社長が出やすいのだが、最初は利益を食いつぶしているのだが、そのうち会社が借金できることを知るようになる。一度に1000万円とかまとまった額のお金がはいると、少しぐらい私用に回したところで会社は潰れないぐらいに思ったりする。

 中小企業でのこうした操作は、経理担当者と共同して行われる。社長は自分が不正をしていることは分かりきっているので、経理の女性に帳簿上ごまかすよう指示する。融資の目的を偽ったり、時には税理士に出す帳面と内側の帳面と違ったものを作るよう指示する。経理には後ろめたさがあるので、経理を特別に優遇する。高額な給料を与えたり、車を買ってやったりする。

 そして、ついに破綻していく。
 不良社長のことだからけっして責任を負おうとしない。ひどいものになると、責任を負わず、逃げ出す者もいる。突然出社せず、社員に後を任せて雲隠れしてしまう。「おまえあとしまつしてとけ」の一言で逃げ出す。普通に経営している人からは信じられないような無責任さが現れる。

 私の経験的な感だが、こうした不良社長は二代目に出やすい。先代が築いた会社が余りにもよいので、自分は何もしなくても会社は回っていくものだと考えてしまう。会社は公私混同は当たり前、どの中小企業もそうやっていると簡単に信じてしまう。

 創立者はくれぐれも二代目の育て方を間違えないようにしなければならない。役に立たない跡取りであれば、子飼いの社員を社長にした方がましだ。

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