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№612 専門家の役割

№612 専門家の役割
 今日は中小企業家同友会の経営相談室の会議が行われた。
 いろいろ、議論されたが、最近の経済情勢に対する分析と専門家の役割の関係だ。
 
 不況が長期化し、今後も続くだろうというのは衆目の一致するところだ。不況はすでに一時的な現象でなくなっている。今の状態を前提に、日本経済は変化しつつあるというのが私たちの認識だ。日本は経済構造そのものが変わろうとしている。その最も大きな要素が融合化するアジア経済だろう。大企業はすでにアジアにシフトを移してる。日本の中小企業もアジア経済に活路を見いだす必要がある。
 
 この経済構造そのものの変化はどこにあるかについては分からないとしか言いようがない。研究者の意見をもっと聞く必要がある。
 
 ともかく、重要なのは現在の経済情勢が当面続くとして、企業は何をしなければならないかをアドバイスするのが専門家ではなかろうか。一時的な金融対策ではもう追いつかない。債務を整理するだけでもだめだ。つもった長期債務を整理し直し、一方で企業のあり方そのものを大きく変化させなければならない。長期に返済計画を立てる一方で、確実に利益を生み出す組織構造を作り上げる必要がある。
 
 経済構造が変化するときは必ず新しい市場の領域ができあがる。多くの企業が倒れていき、そこに大きな穴が開くかも知れない。海外との新しい商流ができあがる過程で生じる、壁、例えば言葉の壁、これが実は新しい商売の穴かも知れない。不況の中で個人の平和や安心する生活、自給自足と言った自立的な意識などが商売の種になるかもしれない。
 
 長期化した負債を、長期に返済する計画を立てることにより、今を乗り切り、経済構造の変革が完成した暁の新たな景気上昇のチャンスを得るかも知れない。
 
 こうした事情を考えると、税理士、弁護士と言った専門家は、さらに踏み込んだ相談が求められる。