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№488 生産ラインとやりがい

№488 生産ラインとやりがい
 「ベルトコンベア」などと聞くとなんだか、人間を機械の部品のように扱う「モダンタイムズ」を連想させてしまう。最近は生産ラインと言っている。現代経営にあっては,社員の達成感も大切だ。モダンタイムズのころの違う。生産に携わる者として誇り,達成感も生き甲斐という点でも重要だし,実際の経営効率から言っても重要だ。
 
 ある企業は「“安全”、“人と設備の調和のとれた協業”をコンセプトに生産ラインを構築」しているということだ。自動車はプレス、ボディ溶接、塗装、組み立てといくつかの工程に分かれ、ロボットなど自動化が進んでいる。私たちではどこに人の役割があるのかよく分からない。
 
 仕事とは無関係の事故で高所から転落して左手首を複雑骨折した事例を扱っている。複雑骨折の結果、左手首の動きはかなり悪くなり、力も入らなくなった。彼は自動車ラインの「溶接」を担当していたが、左手骨折の後遺症から溶接の仕事ができなくなり、退職に追い込まれた。
 
 依頼者は会社には非常に感謝している。左手が動かない間もいろいろ面倒を見てくれたし、骨折後も職場に残れるよう応援してくれたらしい。それはともかく、彼はスポット溶接の仕事に誇りを持っていたのだ。
 
▼溶接というのは一番苦しいところではないのですか。
▽そうです、思い機材を持ち上げなければならないし、溶接には技術がいります。
▼自動車の場合はロボットで全部やってしまって、ロボットの下請けみたいになってませんか。
▽見た目にはロボットが目立ちますが、どうしても人の手でなければできないところがあるんです。絶対に間違いの無いように溶接するのは器用でないとできません。
 
  現代経営では「社員の達成感」というのもマネジメントの重要な要素となっている。社員をラインの部品などとみることは誤ったマネジメントということになる。