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№2106 経営感覚を磨くために営業に取り組む

№2106 経営感覚を磨くために営業に取り組む

 「経営の哲学」もいよいよ終わりになった。この本は「営業」の話なのだが,経営全般につながる極意もたくさん書かれてあって,経営の勉強になる。

営業には経営感覚が必要
 この本の終わりの方の記事が「一流営業マンは経営感覚を磨くために営業に取り組む」という標語だ。営業マンは決定権ある顧客にアプローチするのだが,自分の売り込む商品は相手の経営にとっていかに役立つか説得しなければならない。経営感覚は必須の要件だ。

何が会社の利益になるかを考える
 自社の営業が会社の業績アップに直結するのだから,会社にとって何が必要かも考えなければならない。外部環境の状況,社内で売らねばならない事情,組織全体の経営戦略の理解無くして,会社に必要な作業は何かを考えることは難しい。これは経営感覚の問題だ。

「営業」は一人ではやらない
 「営業」一人ではやらない。トップセールスを行うことが誰でもできなければ,組織としての営業力は上がらない。営業の秘訣を客観化し,見える化し,教育システムも作り上げる必要がある。人材の統制や人材の育成も「営業」の役割の一つだ。これも組織作りという,経営=マネジメントに関わるセンスの問題だ。

「営業マン」から「経営者」へ
 結局,営業に優れているというのは,経営にも優れているということだし,さらには会社全体に対しても責任を持つ立場にも立ちうることになる。実は同じ事は,経理であれ,生産であれ,研究開発であれ,いろいろな立場にも共通する。ただ,営業の場合,お客さんと直接対峙し,お客様の利益をも考える点で,よりシビアーに経営感覚が試されるのだろう。

5年後の自分を描く
 さて,著者は本の中で「5年後のなりたい自分を具体的に描く」ことを勧めている。経営学にキャリアコーンと言われるプロセスが存在する。これは,新人から徐々にキャリアを積み重ね,やがてトップになるというプロセスがあるが,トップに行くに従って,会社の価値観,経営戦略,アイデンティティと自己との重なりが強くなっていく。

 会社の価値観を中心線とすればキャリアを積むに従って,中心線に近づいていくのでコーン(円錐)をイメージできるという訳だ。個人の視点から見れば,会社に帰属することで,自分のなりたいイメージを持つという意味にもなる。

会社に人生を預けるのだから
 人生を預けるのだから,会社は社員が将来像を見通せるようにしなければならないし,社員は社員で自分の発展と会社の発展とが重なるよう努力する必要もある。会社は会社,自分は自分と割り切ったところで,一日の大部分の時間,エネルギーを注ぎ込まねばならないのだから,このテーマは個人にとっては避けられない。

 「営業の哲学」はいろいろな観点でおもしろい本だ。

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