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№480 今を決定するための時間軸

№480 今を決定するための時間軸

昨日、企業家の会合があった。会合後の飲み会で、「未来」が問題になった。中小企業家同友会の会合はまじめな話題もできるので私には向いている。
 
「俺は、頭が悪いから未来のことは分からん。あの○○証券がつぶれるなんて誰もわからんかったし、リーマンショックだって誰も予想できんかった。10年先のことなんて分からん。俺は今のことを考えることにしている。」
「俺は、稲盛さんの言葉に感動した。今必要なものに投資すると書いてあった。稲盛さんは『バブルの時に銀行に不動産投資を勧められたが、俺は今必要なものに投資する。俺は不動産はいらんといって買わんかった。』って言うんだよ。」
 
 この社長は自分では「頭が悪い」と言っているが、かなりしっかりしている。ぱっと見た感じはどこにでもいる中小企業のおやじという感じだが、話してみると、人間的な深みを感じさせるし、独特の暖かさもある。それでいて、したたかだ。「今のことしか考えん」と言っているあたりは中々食えない。
 
 ドラッカーは時間軸という言葉を使い、今を決定するために未来のプランを作る必要があると言った。未来は常に不確定で、測りがたいものだ。しかし、経営者はリスクを冒して未来のために今を決断しなければならない。経営者には「決断しない」という選択肢はない。
 
 私は「今」にはたくさんの未来があると思う。どれも、いろいろな意味があって、どれが一番という訳ではない。予測しがたい未来だから必ずリスクはある。
 しかし、一番良いと思って私たちは選択する。選択して、新しい人生を歩む。努力して、何かしらの成果を成し遂げればよい。その成果は選択しなければ得られなかった成果だ。その成果があることで、今の選択は正しかったということになる。人生はこうした選択の積み重ねだ。こういう選択をしれいれば決して不幸になることはない。

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