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№2303 経営者の信念と発展する組織

№2303 経営者の信念と発展する組織 

 稲盛経営哲学を集中的に勉強している。機関誌は平成4年に創刊され,今日は第6号を読んだ。稲盛さん,この時は59才じゃないかな。「燃えてる」って感じだ。第6号,フィロソフィ座談会のテーマは「燃える集団づくりをめざす」だ。

1. 集団が燃える集団になるかどうかは,事業がうまくいかどと同義語だと思います

 「集団が燃える集団になるかどうかは,事業がうまくいくかと同義語だと思います。今だとわかるんですが,従業員が燃える,明るくポジティブに考えるということは,見えなかった情熱が発散して外気に触れて露になってしたたり落ちる,モノになる,つまり経営の成果となって現れるということじゃないかと思います」(6頁)

 確かに自分の仕事が成果を生み出すという実感ほどやる気を引き起こすことはない。しかし,成果が出なければ燃えないかというとそうでもない。しかし,稲盛経営哲学を勉強していると,やはり必勝法というのがあるような気がするから不思議だ。

2. 事業展開は人が先

 「まず,現在の会社を運営していくために必要な最低限の組織を書き出し,・・・そこに人を配置していく。」
 「新しい事業は・・・社の内外で,アウェイラブル,つまり使える人で才能を持った人がいると,それならこういう事業ができるやないかと考えます。一人です。一人でいいんです。・・・・人を見つけるのが先です。ですから,リーダーというのは人探し業かもしれません。」(13頁)

 まさしく,「組織は戦略に従う」の言葉通りだ。重要なのは人から戦略が組み立てられ,組織が作り上げられていくという順序だ。今ある人たちをよく知り,この人たちを活かす方法は何かと考える。これがうまく機能すれば,事業は必ずうまくいく。なぜなら,その人の目の前に現に必要なものがあり,その人がその必要を満たす動きをするからだ。必要を満たすところに価値は生まれる。事業必勝の極意だ。

3. 夢を語ろう

  経営者が信念をもって企業の存在意義を語り,人が適切に配置されれば,事業は必ずうまくいく。問題は自分に求められているのは何か。成果をあげるまでの地道な努力をいかに積み重ねるかだ。稲盛氏は部下との交流を重ね,対話を繰り返し「聞く耳を持たす」ところまで行き,さらに夢を語ることの重要性を述べる。

「ぶつぶつ言いながら実りのない人生を送るよりは,たった1回しかない人生,燃えて,悔いのない生き方をしようじゃないか」とコンパで語り合う。「私は絶対と言っていいくらい夢を語る。罪のないホラは面白いし,みんなも乗ってくる。前向きに現実が逃避するのが夢です。そんな夢の中に誘い込む。夢か現実か,境目をなくし夢の中を一緒に歩く。そういうやり方しか私にはなかったんです」

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