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№2325 中国中小企業の展開

№2325 中国中小企業の展開

中国の経済発展は拝金主義から始まった?
 1978年から改革開放経済が本格化し,その後1980年代中国の市場開放は大いに進んだ。中国内では巨額の利益を得る者が続出し,経済が過熱する中,拝金主義的な傾向がかなりあったように思う。「80后」「90后」といった甘やかされて自立できない世代が誕生した。

持続性を持つ中小企業の誕生
 開放経済で大企業がめざましく発展した。巨大企業に私たちは眼を見張っているが,中小企業も確実に育っている。中国経済を恐ろしいと思うのであれば,裾野産業が着実に育ってきている現実を恐れるべきだ。私の考えによると健全な経済は中小企業の存在無くしてありえない。大企業がいくらすごくても製造,流通,小売りと全ての段階で高度な商品,サービスを提供する中小企業の存在は欠かせない。人々の雇用を支えているのもまた中小企業だ。

中国のサプライヤーたちは確実に成長している
 現在,改革開放から40年近くになり,企業は持続性を意識するようになっている。そのためには企業が哲学を持ち,自らの社会的使命を自覚することが必要不可欠だ。企業の持続性があるとは社会に支持され続けていることに外ならないからだ。そんな中,中国企業家の関心は米国のマネジメントに眼が向いている。大学を卒業し,米国に留学し,さらに成功を夢見て起業している姿は中国経済の力強さを感じざる得ない。

東洋思想に回帰する企業家たち
 中国企業家の中には中国古来の思想に回帰する例もある。中国で盛和塾が隆盛しているのもそうした中国人の昨今の傾向を反映しているようにも思える。盛和塾機関誌135号には「稲盛和夫経営哲学上海報告会」での報告が掲載されている。曹文洁氏の報告は中国企業家の昨今の側面をよく表しているのではないだろうか。

上海新通聯包装股份有限公司

 曹文洁氏は1970年代に生まれ,木製器具工場を創業した父親の事業を承継した。彼女の工場は2006年コニカミノルタのパッケージサプライヤーとして算入することとなった。サプライヤーとなるため,同社は日本の厳しい基準をクリアする努力を重ね,合格率50%から99.9%をあげ精度をあげていった。こうしてコニカミノルタに選ばれたのをきっかけに日系企業のパッケージを引き受けるようになり,企業は急成長していく。

中国盛和塾
 彼女は2012年中国盛和塾に入塾し,稲盛経営哲学を勉強し始める。「自分の歩んできた道のりを振り返り,正しい人生観,価値観,稲盛塾長の経営哲学と人生哲学が,最も貴重な精神的財産であると確信するのです。」と講演している。

 稲盛哲学に触れ,彼女の企業は社会貢献に大きく踏み込んでいる。木材パッケージの販売から物流リユース共用システム(たぶん,パッケージをリユースしたり,共同利用したりし,かつ物流全体のマネジメントにもかかわるというような事業)により,木材の消費を抑え,環境問題への貢献を目指している。さらに「幸福企業」構築事業をスタートさせ,社員全体の幸福を追求する多様な事業を展開している。

中国中小企業のすそのは広がっている
 重要なのは,中国の小規模企業が徐々に発展し,中堅企業,大企業となっているということだ。彼女の会社は裾野のいわば大きな峰の一つとなっている。中国企業は同じように成長している中小企業がたくさん存在している。

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