№471 顧客のウォンツ。事業者いろはの「い」
ドラッカーの「マネジメント」では顧客のウォンツがきわめて重視されている。
ドラッカーの「マネジメント」では顧客のウォンツがきわめて重視されている。
原文に当たっていないので何とも言えないが、ウォンツとはwantsのことだろう。単なるニードとは違い、意欲的で積極的な言葉だ。翻訳者が欲求、要求という言葉を使わず、あえて言語でウォンツと表現したことには意味があると思う。顧客の購買に対する動機、意欲的な行動を意味していると思う。それは単なる「必要」というレベルを超えた、より積極的なものだ。
今となっては当たり前の内容かもしれないが、次の文章は事業をする者にとって、忘れてはならない基本中の基本、いろはの「い」だと思う。長いが紹介したい。
「市場を生み出すのは神でも自然でもな経済の力でもなく、事業に携わる人々である。企業が顧客の欲求(ウォンツ)を満たす手段を提供した場合、顧客は以前からそのウォンツを抱いていたかもしれない。」
「飢餓に苦しむ人が食料を欲するのと同じように、顧客にとってウォンツは生活を左右するほどの意味をもち、目覚めている間中それについて考えていたかもしれないのだ。しかし、あくまで潜在的なものにすぎず、それが有効需要となるためには企業による働きかけが求められる。それによってはじめて顧客と市場が生まれる。」
「あるいは潜在顧客はウォンツを自覚していなかったかもしれない。複写機やコンピューターが実際に誕生するまでは、これらの製品へのウォンツを感じた人はいなかったはずだ。企業のイノベーション、功績、広告、セールス手腕などによってはじめて、ウォンツが生み出される場合もある。」
最後の文書、新しい技術や製品の誕生だけでは顧客はできない。「 企業のイノベーション、功績、広告、セールス手腕など」というマネジメントの威力を軽く見てはならない。
最後の文書、新しい技術や製品の誕生だけでは顧客はできない。「 企業のイノベーション、功績、広告、セールス手腕など」というマネジメントの威力を軽く見てはならない。