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№447 社長が絶対にやってはいけないこと

№447 社長が絶対にやってはいけないこと
 事業が苦しくなると、だんだん倫理が麻痺してくる。目先のお金のためなら何でもしてしまう。このぎりぎりの部分にその人の人となりが試されることになる。
 
(1)
社員からお金を借りてはならない。
社員を保証人にしてもならない。
 普通に会社を経営していると社員からお金を借りるなどと言うことは信じられないだろう。まさか、そこまでやるかと思うことがある。けっこう社員が多い会社でもあるから驚きだ。すでに経営に責任を持てないのに、給料を払うどころか逆に借りるなどはもってのほかだ。
 
(2)
両親、妻、子供を保証人にしてはならない。
 両親、妻、子供、友人は経営に関係がない。安易に人を巻き込んでどうなるものでもない。もちろん、親族が経営にタッチしていれば別だが。
 
(3)
都合のよい嘘を言わない。
 いざとなったら両親の土地を売却するから大丈夫だとか、できもしないうそを言って借りることがある。時には生命保険で5000万円入るなどということもある。
 
(4)
変なところからはお金を借りない。
消費者金融や、さらには無免許の貸金業者から借りることがある。この時点ですでに会社は死んでいる。
みなさんはどこが問題か分かるだろうか。
借金が膨らみ、経営が立ち行かないときに、泥をかぶって、正直に関係者に話せない弱さからくるのだ。経営責任をきちっとかぶることができない、目先をごまかして切り抜けるという覚悟が足りないところからくる問題だ。 
 
【追伸】
 我々、弁護士は借金しまくり、人に迷惑をかけてきた人をも弁護することがある。ひとたび依頼者になった者を見捨てるまねはしない。借金でおかしくなった経営者は、時にはひどいモラルハザードを起こしている。こうした依頼者について辞任するかどうかいつも迷うのであるが、その人が立ち直ろうとしている限り、辞任しないことにしている。