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№189 企業コンプライアンス

№189 企業コンプライアンス
 会社法の考えは企業の組織的自由度を増す一方で,自由度拡大の弊害を防止するために組織的には遵法体制を強化し,事後的な外部統制を強化することにした。コンプライアンスという考えもそれに伴って発達してきている。

 企業のあり方は企業のトップがどのような人物なのか,どのような経営姿勢を持っているかによって大きく異なる。このことは大企業でも同様であるし,むしろ中小企業の方は人物によって左右される度合いは高い。

 企業体制の構築義務というのがあるが,そのことに関連して有名な事件に, コンプライスで有名な事件に大和銀行ニューヨーク支店損失事件がある。
 これは,米国債(米国財務省証券)を簿外取引により、11億ドルの損失を与えた事例である。不正行為を防止するための内部統制システムを構築すべき善管注意義務取締役による法令遵守体制構築の法的義務はあるとしたが、現時点でリスク管理体制の水準をもって本件の判断をすることはできないとした。

 この場合の体制とは何かというが問題であるが,大企業であれば,セクションをわけたりいろいろあるだろう。中企業だとそうはいかない。前にもこのブログで検討したが,,赤福餅事件など一連の偽装事件でも,中小企業に向けた体制の簡略化と,それを支える人たちの教育システムの徹底は重要ということになる。