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№110 好きな花

№110 好きな花
 
 男性の場合,花に関して話題に出てくることは少ない。まして野草などには関心が少ないかもしれない。そんなのはじいさんの趣味だと言われそうだ。

 私が最初に好きになったアジサイだった。確か小学生の時だったのではないかと思う。何かでアジサイは縫い子をあらわしていると読んだ瞬間にアジサイの花の向こうでいっしょうけんめいに針仕事をしている少女を連想してアジサイが好きになってしまった。いまでも,アジサイの花を見るとアジサイの花の向こうにいる少女を連想する。

 次に好きになったのはスミレの花だ。野生のスミレは実にたくましく可憐な花とは対照的だ。日本のスミレは種類が豊富で地域ごとに違ったスミレが咲いている。これは中学校の時だったのではないかと思う。東海地方周辺の里山を歩き回って,かたっぱしからスミレの写真をとっていた。ファインダーの向こうにスミレが咲き,風で花が揺れるの息をのんでタイミングを待っていた。風に花が揺れる時というのは,小さく小刻みに揺れる。中学生だった私はスミレの声だと考えていた。

 大学生のころ,私は京都にいた。比叡山から大文字山にかけて東山が連なる。この里山は植物の種類が豊富で季節ごとにいろいろな花が咲く。早春の東山の森を歩いていて突然,こぶしの花に出会ったことがある。まだ,葉が出そろわない早春の森は枯れたような姿なのだが,その中に突然,木いっぱいに真っ白な花を咲かせたこぶしが現れる。だだ一本孤立して立っているこぶしなのだが,その唐突さにはいいようのない感動があった。

 私は自然保護運動に深く関わっているが、植物から得た経験は大きい。