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№2279 ティール組織と企業成功の法則

№2279 ティール組織

ティール組織の発想はドラッカーの発想とよく似ている
 ティール組織(英治出版)を繰り返し読んでいる。著者フレデリック・ラルーの発想はドラッカーによく似たところがある。私の考えではドラッカーは組織人であっても個人の自由,自己実現の視点からそれを表現しようとしているように思う。ラルーの発想ではこれ考えがさらに発展している。

ティール組織の特徴
 著書の特徴は何かとよく聞かれるが,私は大きな特徴は次の2つだと答えている。

 ① 企業体を生物の体のようにとらえる
 ② 企業体の構成員を体の一部のようにとらえる

生体へのメタファー
 生体は無数の細胞や化学物質が系統だって組み立てられ一つの体をなしている。例えば人は人となるべくプログラムされたDNAを持ち成長する。人は生まれながらにして人になるという使命を持っているし,さらに社会の中で生きていくことで使命を実現していく。

企業体は生まれたときにすでに使命を持っている
 企業体も生まれた瞬間に使命を持ち,持続発展することによって当初持っていた使命の意味が明らかになていく。生体はこの使命(mission)によって各部の最適化が図られている。

構成員の自由で自律的な活動
 生体では全ての臓器が統制されているわけではない。神経やホルモン,何らかの伝達物質による複雑な情報伝達システムで相互に関連付けられている。そこで,臓器としては独立して活動するのだが,臓器の活動に応じてこの情報システムを通じて必要な臓器と連係を図っている。

各構成員の情報交流,集団的知性の発揮こそが神髄
 このオートノミーは企業体でも同じだ。企業体の理想は各自が自分のアイデンティティーに照らして使命を自覚し,企業体に自分の使命を生かしていく姿だ。経営者はマネジメントに専念することが大切だ。この組織内での情報伝達,交流システムの構築,その活性化こそがティール組織の神髄だと思う。 

進化する組織
 「ティール組織」の原題は「Reinvent Organization」となっている。Reinventとは大きく変化させる,すでに確立しているものを大きく変化させるというような意味だ。例えば,既存の統制型組織が徐々に進化し,権限が委譲される。さらに各自が責任を持って行動することに信頼が生まれれば,委譲された権限が正当に行使されているか日常的に監視する必要は無い。

ティール組織理念型(モデル)からすれば必ず利益が生じる
 中央統制型から自主的自律的活動型に進化すれば,むしろ構成員が主人公となる。CEOは構成員が健全な発想で行動しているか観察し,必要に応じて個人や組織の自浄能力を促していく役割を担うことになる。助言によって組織の健全化を維持する。

 一方,構成員は現場情報から企業体が発展するための行動するので,現場の需要が発見され,開拓される。ティール組織のモデル型では組織は必ず発展する。

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