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№2227 「ティール組織」のミーティング

№2227 「ティール組織」のミーティング

 「ティール組織」(英治出版)はかなり得るところがあるので,真剣に勉強することにした。

ティール組織の理想
 ティール組織の理想は組織は所属する個人の成長を約束し,個人が職場に安心と希望を見いだすところにある。管理は人を疑うという考えが前提になっている。しかし,ティール組織にはこうした管理という発想はなく,足らない部分に対しては個人が成長する機会ととらえ,助言によって成長を促すという考えに立っている。

ティール組織のミーティング
 著者,フレデリック・ラルは従来型管理組織とティール組織のミーティングを比較する。ここでの慣行というのは原文ではpracticeという言葉使われている。ミーティングを全員が共通の認識に立ち,実質的に意義あるものにするための実践(practice)という意味ではないかと思う。

 管理され,いつも疑われているような会社ではミーティングにおいて「安全を感じるためには,一部の人々がミーティングの進行を独占し,ほかの人々はひっこめばよい」(「ティール組織」(英治出版)272頁)。「ミーティングは往々にして,本音を隠さざるを得ない競技場へと転換してしまう。」

【従来組織】
 ミーティングの数は多いが,ミーティングでの慣行はほとんどない。
 Many meetings, but few meeting practices

ティール組織】
 エゴを抑え,全員の意見に耳を傾けるような,具体的な慣行がある。
 Specific meeting practices to keep ego in check and ensure everybody's voice to heard.

利他の心 
人は成長するもの,人は本来善人であるという考えに立っている。稲盛和夫氏は経営思想の中で「利他の心」という言葉をよく使う。エゴを捨てろともいう。この思想に近いかもしれない。最近稲盛思想を勉強する機会があって,大いに得るところがあった。

 ただ,私は組織の中で「利他」を強調することを好まない。「エゴを抑え」という言い方も好まない。なぜなら,個人の主張をエゴと押さえ込み,都合よく人に課題を押しつけるという,ある種「欺瞞的」な響きがあるからだ。自分のことをさておき,人の成長を願うというのであれば,私は大いに賛成したい。

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