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№1683 暴力団がらみのトラブル対処法

№1683 暴力団がらみのトラブル対処法

 山口組の分裂騒ぎがあって、名古屋もなんだか騒がしい。

 弁護士を長くやっていると暴力団がらみの事件を取り扱わなければならないことがある。会社としてはこの問題は放置できないし、絶対に芽を摘み、つけいる隙を与えないようにすることが必要だ。

 彼らがもっとも恐れるのはやはり警察なのでこうした事件では警察との連携は欠かせない。被害者側としても警察が動きやすい環境を作り上げていくことになる。

 この警察官が動きやすい環境というのは次の点だ。

 ① 恐れず立ち向かう。警察が動いてくれても被害者が腰砕けでは、警察としてははしごを外されるような立場になってしまう。

 ② 証拠をきちんと収集する。詐欺まがいの手法であればそれに関連した書類、恐喝などでは録音テープ、医師の診断書、暴力団の名刺などである。

 ③ 法的な交渉ルートの確立。たとえば弁護士に依頼しているということで、被害者に直接面談の強要を回避する。直ちに民事調停、民事裁判を提起し、法的なルールにそった話し合いルートを確立する。

 ④ 民事的な措置。たとえば、面談強要を禁止する裁判所の命令であるとか、一定距離以内に近づかないようにする命令であるとかとると警察は動きやすい。

 もちろん、警察も人だ。被害者としての感謝というのは忘れてはならない。警察は動いて当然だなどという傲慢な発想はとんでもないことだ。

 誰もが暴力団は怖い。組織的に動いてくる彼らは普通のチンピラと違うところがある。チンピラのような連中はすぐに頭に血が上り、強烈な感情で動く。一定レベルの組織組員となるとそれなりの考え方を持つ。

 ともかく、怖い感情が湧くのは弁護士も同じだ。しかし、そうした感情に立ち向かう勇気も必要だ。家族や周辺住民、会社など組織的に問題点を見つめ、組織的にこの怖い感情に立ち向かう必要がある。弁護士の役目は一人の被害者を励ますだけではない。関連している人たちが共同して立ち向かえるよう、組織的な討議を進めることを援助することになる。

 このあたりは正義感の強さ、ともに戦うという意識、加害者・被害者関係者を見渡せる視野の広さ、被害者が希望を持つことができる提案力など、弁護士にとってはいろいろな能力が試される。

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