№1386 恐竜の話 少年ケニアにようになりたい
かつて恐竜はトカゲやワニの仲間じゃないかと考えられていた。
確かに,私がまだ子供の頃,動物図鑑に恐竜も紹介されており,イグアノドンはトカゲのような頭だった。大型恐竜のブロントザウルス(今ではアパトサウルス)はいつも水の中にいて首を水上に出していた。ゾウよりも大きな巨大生物はいつも私たちのあこがれだった。
少年ケニアという漫画があって,まだ幼児だった私はとてもあこがれた。今から思えばむちゃくちゃなストーリーだった。確か,ワタル少年は巨大な草食恐竜の頭の上に座っていたような気がするが。
恐竜の科学もずいぶん進歩した。ジュラシックパークでは恐竜は鳥のように描かれていた。たくさんの恐竜が群れをなし,鳥のように渡りをする様子は圧巻だった。
恐竜は体温を持っていた。ワニやトカゲとは違う。
恐竜は柔軟な骨格と運動機能の高い長い首を持っていた。
恐竜は羽毛を持っていた。始祖鳥や孔子鳥以前から羽のある恐竜があった。後ろ足にも翼のある4枚羽根まである種類もあって,太古の森林を滑空していた。
なんと,あの肉食獣アロサウルスだって羽を持っていた可能性があるそうだ。
私が子供の頃,恐竜の脳は小さく,恐ろしく鈍感な生物だった。ステゴザウルスに腰の辺りにも脳のような神経節があって,巨大な体を動かしていた、と、子供図鑑には書いてあった。
今では,恐竜の脳は視覚部分が発達し,鳥ような頭脳を持っていたということになっているそうだ。ディノニクスは賢かったという話もある。順調に進化していけば恐竜人間にもなったかもしれない。視覚が発達して,羽があるなら,羽には色があったろう。最新の恐竜研究では色の再現をできる場合があるというから驚きとしか言いようがない。
三畳から白亜紀期にかけての1億6000万年にわたった進化を続けた恐竜だ。いろいろあっても不思議ではない。それが,私たちの心をたえず揺さぶり続ける。
さらに,それを再現する「科学」の発達にも驚かされてしまう。