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№158 不況対策相談会

中小企業法務 №158 不況対策相談会

 巨大な落とし穴のような不況は依然深刻だ。派遣労働者期間工などはどんどん切られている。こんなことでいいのだろうか。

 中小企業の話題も連日のように報道されている。景気調整弁として中小企業も利用されていてどうにかならないものかと思う。
 が,零細企業とはいえ,派遣労働者の問題と違うところは,事業者であると点だろう。社会経済の構造の問題があるとは言っても,事業者は不況時であっても責任を負わなければならない。

 さて,私が所属する中小企業家同友会では会員向けの専門家相談を実施することになった。弁護士,税理士,その他の専門家で構成される。相談のコンセプトは「労使見解」に沿った相談というものだ。中小企業家同友会は「労使見解」というものを持っている。これは以下の要点を持っていると思われるが,要するに,「社員と経営者が危機を共有し,最後まで共に乗り切ろう」という事である。
 ① 事業者はいかなる場合でも経営に最後の責任を持つ。
 ② 社員の労働者としての人権を尊重し,社員の人生に責任を持つ。
 ③ 会社の状況認識を社員と共有する過程を作り,不況克服を会社全体の共同の目標とする。
 ④ ③の過程で,会社が不況を乗り切るための痛みを社員にも負担してもらう。

 一番やっかいのは解雇の相談だろう。不況下にあって,解雇は実に魅力的ではあるが,食べてはならない禁断の果実だ。しかし,どうしてもやむえない時もあるのだ。