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№76 社長があいまいにしているもの

社長があいまいにしているもの

 ① 定款・・・どこにいったか分からない。中身も知らない。
 ② 株式・・・誰が何株持っているか分からない。
 ③ 株主総会,取締役会・・・開いたことがない。
    
 株式会社では定款,株式,取締役会,株主総会は組織の要だ。小さな会社では社長個人の判断で動けるのでこうしたことはあいまいにしても通用してしまう。しかし,会社が徐々に大きくなり,事業承継などを考え始めるといったい我が社はどうなっているのかと考え始め,税理士や弁護士に相談してみると,実は何も知らないことが分かる。

 例えば,株式だ。中小企業の場合,同族会社が多いので家族や親族を株主であることが多い。旧会社法では発起人の人数や,役員の人数などきびしく決められていた。そのため,頭数だけそろえればよいと言うので「おじさん」,「妻の父」などに株主になってもらったりしていることも少なくない。出資も名目だけで,現実には社長がお金を出していることもある。

 しかし,20年ほど会社を続けていると関係者が死んでしまったり,どこかへ行ったり,仲が悪くなったりしている。奥さんとは離婚しているかもしれない。
 その上,社長が死んでしまったりすると,残された家族はますます分からなくなる。会社がそこそこ大きくなったら,どこかで決着をつけるのも社長の役目だ。