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№77 中小企業は個性重視

 一口に株式会社と言ってもさまざまだ。トヨタのような世界一の会社もあれば,社長一人,社員一人の小さな会社もある。こんなに大きな差があるにもかかわらず,同じ規制だったというのがそもそも無理がある。会社法は会社の多様性に応じて,制度設計できるような柔軟性を持たせた。

 中小企業は社長の個性が強い。中小企業は個性重視,機動性重視のしくみなっている。中小企業は通常,非公開会社と言って,株式に譲渡制限が付けられている。社長さんも一度ぐらいは定款を見ることをお勧めする。これは知らない人に売ってはいけないという制度だ。株主に相続が発生した場合には会社は総会決議を経て,相続人に対して買取を請求できる。会社法全体では会社に新規参入する者よりも,既存株主の利益を重視する仕組みになっている。

 例えば,新株発行の場合,非公開会社では株主平等の原則が強く要求される。そのため,新株の発行は既存株主に割り当てるのが原則である。既存株主以外の者に割り当てた場合には株主の知らない人物が会社に介入することになるため,非公開会社では制限を加える必要がある。これが公開会社の場合では,発行価格が公正であればよいということになる。