名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

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№2 企業の現場力

 「現場力」という言葉あります。どのような立派な企業理念や,営業計画があっても現実に役立たなければ意味がありません。実際に顧客に感謝され,顧客に期待以上の成果を提供し,営業実績が伸びていく,そんな「現場力」を目指してどの企業も日々奮闘されていることでしょう。
 黒瀬直宏氏(中小企業政策:専修大学商学部)によると,中小企業は「その場その場で発生する情報」すなわち「場面情報」の点で大企業に優位に立つということです。中小企業はフェイス・ツゥー・フェイスという顧客の顔を見た経営が可能となります。情報は顧客と事業者との双方向のやりとりの中で築き上げられ,新たな情報が築かれます。中小企業はこの「場面情報」により商機を見いだし,発展していきます。
 この場面情報は社長だけが得るものではありません。社員が事業に前向きに取り組むことによって,社員が情報をキャッチし,それが社長・社員,社員・社員と垂直,水平に直ちに共有することで,事業としての機動性,つまり,現場力が生まれてくると思います。「場面情報」について意欲的な社員を育てることは企業発展の大きな「鍵」ではないでしょうか。理念を共有しない企業,社員を大切にしない企業は滅ぶというのは,「現場力」を失った企業ということなのでしょう。