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№308 中小企業にとって地域とは何だろうか。

№308 中小企業にとって地域とは何だろうか。

 私は「地域」というのは事業を本拠として、そこに住んでいる人を意識できる範囲ということになろうかと思う。

① 地域は現場情報の宝だ。地域の需要をおろそかにするな。
  あなたが中小起業者である限り、あなたは地域から利益を得ているはずだ。あなたの商品の納入先、あなたのお客さんはあなたが接することのできる人たちの範囲のはずだ。それが地域だ。あなたの商品、あなたのサービスはお客さんの役に立っているだろうか。あなたはお客さんをちゃんと見ているだろうか。お客さんの満足を得ているだろうか。お客さんの期待を上回っているだろうか。お客さんの期待を超えるための情報を集めようとしているだろうか。

② 地域の中で事業を磨け。
  あなたは、地域の中で事業の質を向上させているだろうか。お客の期待を超えるための情報を集め、実際にお客の期待を超えるための行動を起こしているだろうか。実際に超えたことはあるだろうか。それは、地域の人からの情報に反応し、自らの事業を向上させる努力によって実現する。そのような具体的かつ実践的やりとりのなかで磨き上げられた事業は他の地域でも通用するだろう。全国で通用し、世界でも通用するだろう。

③ 地域の人との交流を怠るな。
  アイディアは常に人との交流の中で生まれる。お客との交流は新しい商品との交流を生むかもしれない。お客の隣の人は、潜在的なお客だ。それを見つけ出せ。同種・異種事業者との交流は自らの商売を反省させ、高めるだろう。共同の関係は事業に新しいものを付け加えるかもしれない。地域の人との交流は新しい商圏の獲得になるだろう。関係こそが価値の源泉だ。結局、人間関係のなかでしか商圏は広がることはない。人との交流できる範囲が地域だ。

④ 地域全体の質を高めろ
  顧客との交流、地域の交流の中であなたの資質、あなたの事業の質は高まるだろう。それは、相手に思いやり、社会に思いやりの問題だ。なぜなら、思いやって初めて交流が生まれ、個人や、事業の鍛錬される。個人の質、企業の質は人に役立って初めて高められる。そうして生まれたあなたの誇りは、地域の中で生まれた誇りであることを自覚しろ。あなたの地域でなければあなたは、あなたの事業は生まれなかった。あなたの誇りは、あなたと交流した人の誇りになるだろう。あなたと交流した人が生み出した誇りはあなたの誇りとなるだろう。それが地域の質の向上であり、地域ブランドの源泉だ。地域の経済、地域の文化の向上はこうして生まれる。

⑤ 地域貢献を忘れるな。
  商売との関係が希薄であっても怠ってはならない。それは地域の質の向上として返ってくるだろう。地域貢献が新たな人との関係を生み出して、結果として商売が拡大するかもしれない。地域からの尊敬は事業全体の信用につながるだろう。地域からの尊敬は社員の誇りとなり、社員のやりがいを与えることになるだろう。

⑥ 地域はマネジメントされなければならない。
  地域の持つある種の理念のもとに多くの人たちが参加し、共通の価値を作り上げていく過程があるべきだ。地域環境はそのために整備されていく。人々は交流し、地域の中で生活する。同種・異種業者は交流し、商売を強化し、新しい商売を作り上げていく。自分たちが交流の中で生み出された価値を全国、世界に発信する。それが理想だ。