№2222 フィロソフィーまたは sense of purpose
組織の理念は額縁の中に入ったままになっていないだろうか?
上意下達の統制は,実は部下がいつ裏切るかわからないということを前提としている。企業理念は時にトップダウンで押しつけられることになり,経営者は従業員が本当に理解しているかいつも不安におびえることになるだろう。
組織理念はそういう文化ができることだ
理念が組織に浸透している場合の理想型は,信頼し合う仲間同士に対する責任感が生まれている状態ではないだろうか。職場はコミュニティーと化し,仲間に評価されたい,仲間に助言を求めたい,この仲間の中で自分が成長したいと思うような場になることが理想型にように思う。組織の規律は仲間に対する約束,責任感によって維持される。
理想的な組織はあるのだろうか。
稲盛和夫氏は著書の中で「利他の心」というのを強調する。それは仲間のために働きたい気持ち,社会のために働きたい気持ち,お客さんにも役に立ちたいという他を思う心だという。
この理想的な組織では,一人一人が全体に責任を負うことになるだろう。「それは僕の問題ではない」という姿勢は受け入れられない(「ティール組織」203頁)。全体に責任を負うとは自分の夢や目的を組織を通じて実現するという価値観,フィロソフィーを持つことで実現できると思う。
マーク・ザッカーバーグの演説
「自分の目的を見つけるだけでは十分ではない。すべての人々が目的意識を持つ世界を作ることこそ、私たちの世代が取り組むべきことだ」
“I’m here to tell you finding your purpose isn’t enough. The challenge for our generation is creating a world where everyone has a sense of purpose.”
ケネディ大統領がほうきを運んでいる清掃員を目にしたので歩み寄って、「何をしているの?」と尋ねた。
He saw a janitor carrying a broom and walked over and asked what he was doing.
すると清掃員はその質問に次のように答えた。
「大統領、私は人類を月へと送るお手伝いをしているんです」
“Mr. President, I’m helping put a man on the moon.”