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№2323 経営実践哲学

№2323 経営実践哲学

 盛和塾機関誌133号は機関誌7号から16号の要約集が記載されている。現在私は1号から30号まで立て続けに読んでいるが復習になる。最近ちょっとずつフィロソフィーの意味が分かり始めてきた。当たり前のことだが,京セラ哲学は「経営実践哲学」だ。同じ内容でも研究者が述べるのと,実践者が編み出した生の声とは違う。

たとえば,ドラッカーは次のように言っている
   組織が「人材を育成するためには資質が求められ」「その資質とは誠実さである。」従って,「他人を評価する際に,誠実さよりも頭のよさを重視することはない。」そして,組織における誠実さの核心とは「部下に対しても自分に対しても,仕事への厳しさを要求する。高い基準を示し,その基準が満たされるよう期待する。『何が正しいか』だけを考え,『誰が正しいか』などという点は決して問題にしない」ということだ。

これを稲盛塾長は「人間として何が正しいか」というように表現する(19頁)
 「京セラがヤシカというカメラメーカーを合併したとき」「合併時も赤字という会社で,強い労働組合があり,活発に労働運動をしていました。」「この会社の再建には,叩き上げでセラミック研磨部門の責任者になった人を派遣しました。」そして,この会社は3年で黒字となった。「古くからいる幹部社員に話を聞きますと,彼は私の著書である『心を高める,経営を伸ばす』を引っ提げ,現場で誰彼と無く捕まえては「人間として何が正しいか」ということを話して回ったそうです。その熱にほだされて,いつしか周りの従業員も,少しずつ変わっていったようなのです。」

実践的哲学の「実践」こそが重要
 ドラッカーは多くの企業を研究し,「誠実さ」を人材の核心であると喝破した。ドラッカーの洞察は偉大で私たちは多くの経営上のひらめきを得ている。しかし,「実践」という点で,塾長講話の意味は違う。「人間として何が正しいか」という理念が実践の中でどのように生かされているのか,伝わり方が違う。

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