名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

№2164 やってみよう,Made by Japan

№2164 やってみよう,Made by Japan

よくわからないけど,Made by Japan
 2003年日本経団連は新ビジョン「活力と魅力溢れる日本をめざして」を発表して,その中で“Made by Japan”という言葉を使っている。和製英語で意味がよくわからないが,経団連によると「連結経営的に日本経済をとらえ,海外投資収益などによって国内の技術革新のダイナミズムを創造」ということらしい。

 Made by Japanの用語はその後あまり聞かれないが,今でも農業分野でよく使われている。農業も海外に資本進出して日本の農業技術を駆使して大いに利益を上げようという構想だ。日本の集約型農業は世界に例を見ない。これにIOTが加わり日本の高度工業技術を付け加えた農業をすれば,大いに成功するかもしれないという訳だ。

けっこう奥深い,Made by Japan
 Made by Japanという言葉はなんとなく古くさい言葉になってしまったが,発想は正しいように思う。もし,日本ブランドというものがあるのなら,それは高品質商品をイメージする。高品質なのは実は商品ではなく,そのものを作る技術,作り方が本質にある。ならば,「物」にこだわることなく「技術」を売ればよいではないか,というのがMade by Japanだ。

大切なのは物では無く技術,技術では無くマネジメント
 しかし,Made by Japanの意味はもっと深いところにある。日本が売れているのは「よい物」ではなく,「よい技術」だった。さらに,本当はよい技術を武器にした市場のマネジメントにあるようにも思う。日本企業には市場がついている。よい技術を他国で利用し得るのは,日本企業が市場を把握しているからだ。本当に従業なのは「マネジメント」だったりしないだろうか。

商社化する製造業
 私の知り合いの製造業の中には,海外ローカル企業と連携して日本技術で製品を作る会社がいくつもある。なぜ,これができるかというと企業がお客さんを持っているからだ。たとえ,ローカル企業が技術を習得していても,日本企業あっての技術ということになる。こうして,知り合いの企業の中には完全にマネジメントに徹し,いつの間にか生産をやめてしまった会社もある。

大手日系企業には受けがいいMade by Japan
 Made by Japanに対しては「Japan」にこだわりすぎているという論調もある。確かに,グローバリゼーションの進展により市場の融合化が進んでいる中にあって,よいか悪いかだけが基準で,日本かどうか重要ではないというぎろんがあるかもしれない。

 しかし,中小企業にとって,Made by Japanはとても大切だ。なぜなら,日系企業の間ではやはりMade by Japanが通用するからだ。海外では日本企業が経営する企業というだけで,日系大手企業は安心する。

名古屋E&J法律事務所へのお問い合わせはこちら