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№1287 メッセナゴヤ参加の中国企業

№1287 メッセナゴヤ参加の中国企業
 メッセナゴヤという企業展に参加してあちこちのブースを覗いてきた。愛知の企業展だから製造業は豊富だ。その中に中国関係企業がいくつかあった。

海鴎株式会社
 この会社は中国人が大阪で会社を設立し、機械部品会社を経営している。中国にも工場を建設し、日本の大企業などからの受注を受けている。日本企業からの外注を引き受けるほか、日本企業が中国市場で販売ネットワークを築くためのサポート業務をするという。自社で工業団地のようなものも設けて低コストで企業が初動できるようするという事業も行っている。

名古屋理研電具株式会社
 中国、香港に拠点を持ち、機械部品などを日本企業の注文に応じて部品を調達している。自らの会社は商社だということで、自社で部品を作るというよりは、よい品質を生産するローカル企業を探し出すということが主要な事業のようだ。例えば、「基盤実装・製品組立」では50社以上の協力工場から最短納期を提案するという。

大連恒新精密模具制造有限公司
 中国大連の会社だ。プラスチック金型、ダイキャスト金型など金型を造っている。日本のいくつかの企業とも取引があるという。名古屋にも営業所を持ち、中小企業に対して金型を売り込んでいる。

 この外にも、中国企業はいくつかあった。いずれも日本企業からの受注を得ようというものだが、単純な外注先でもないようだ。興味深い点は次の点だ。

 ① 部品生産を行っている。
 ② 日本の大企業にも部品を納入している。
 ③ 中国市場への売り込みをサポートする事業をしている。
 ④ 日本の中小企業も顧客としているようだ。

 部品を生産して日本の大企業に納入している。これは日本の中小企業がやっていたことだ。それなりの品質が求められるが、中国のローカル企業もそうした高い品質を実現しているのかもしれない。

 中国にある様々な企業への売り込みをサポートするという。「中国市場」というものがあって、それをマネジメントできるという考え方だ。市場のあるところで生産するというのが原則であるが、現地調達のメリットを生かし、世界の様々な企業が集まっている中国市場への参入を手助けするという。

 さらに、中小企業も彼らは顧客としているようだ。だとしたら、この種の中国企業は日本の中小企業と中国の中小企業との企業連携のあり方を示すものになるかも知れない。それが中国企業のイニシアティブとなるか、あるいは日本側が市場マネジメントのイニシアティブをとるかはよく分からない。

 しかし、これらの中国企業は日系大企業あっての発展という感じがする。だとすると、日系大企業との関係で発展している日本企業側に連係のイニシアティブが取れるのかもしれない。