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№1288 夢のある会社

№1288 夢のある会社
 中小企業家同友会で、私は海外対応研究を続けている。士業数人が集まり、中小企業の海外対応の諸問題について検討を進めている。

 昨日は綿によるベビー用品を販売することで急激に業績を伸ばしてきた会社だ。ウェブサイトを利用し国内で販売しているが、製品の使いやすさやデザイン力など質の高さによって国内消費者には強い支持を得ている。社内でも「人を大切にする」という理念のもと社員が長く働ける職場を作っている。

 この会社は現在中国への進出を計画中だ。

 今日であっても中国の消費はかなり伸びている。特にインターネット市場の伸びも著しい。私の知っているいくつかの会社も中国国内でインターネットや電話などで販売実績を伸ばしている。中国のインターネット市場はチャットでのやりとりがあって、消費者は品質を確かめ購入する。インターネットによる不特定多数への販売ではあるが、直販に近いところもある。

 この会社はこの中国のインターネット市場に参入するべく活動している。既に中国国内での独資企業の設立手続きは終了し、来年から会社が立ち上がる。日本仕様の質の高さだけでなく、ウェブページの質の高さにも自信があるようだ。

 消費者と対面して意見を取り入れ、商品の一つ一つの作りあげていくという手法も実践するようだ。「人を大切にする」という経営スタイルも中国で通用すると信じている。すでに「人を大切にする」という企業理念を中国人に伝えたところ、大きな支持を得たということだ。
                                                
 この会社の社長の話はとても夢があっておもしろい。日本での会社経営での自信は社員にも伝わっているだろう。社員たちも自分たちならできるかもしれないと考えているかもしれない。会社、特に中小企業の場合、会社に夢があるかどうかは会社の士気に大きな影響を与える。会社の可能性は、そのまま社員たちの人間的な可能性にも通じるところがあるからだ。

 ところで、中国の消費社会に入るためには中国独特の流通機構に関係する人脈を作らなければならない。これはかなり難しく時間のかかることだ。例えばクロネコも中々地方に入ることができないらしい。

 それに対して、インターネット市場はそういう障壁はない。宅配との接点が必要だが、それはそれほど難しくないだろう。この会社の試みは日本の小売業者、特に中小企業の小売業者にとって大いに参考になるだろう。

 「人を大切にする」という企業理念も中国で通用するかどうか期待したい。