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№2110 奥さんは家政婦ではありません

№2110 奥さんは家政婦ではありません

 当事務所は離婚の相談もしています。

 最近の傾向として、夫が家計を管理する事例で家庭が破綻する例が増えてきているように思います。
 夫は妻に給料などの収入を一切知らせず、毎月の生活費だけを渡すというのです。生活費も十分であれば問題ないのですが、月7万円とかいうようにかなりぎりぎりの生活費を渡すだけということがあります。

 子供がいる家庭の場合、月7万円の生活費ではとうていやっていけません。子供の病気、進学、塾などそのつど夫の了解を得ながらお金をもらうという関係になります。生活費がどうしても足りなくなれば夫に追加してもらうということやりとりもあります。週末にはいっしょに買い物に出かけ、夫に支払ってもらうという依存的な関係ができあがります。

夫によるモラルハラスメントはこうして始まる
 夫側はこうして家計をきちんとコントロールしている、と思ってしまい、自分がしっかりしているから家計が健全に維持されていると思うかもしれません。たしかに、そういう面はあります。

 しかし、妻の側からみると、いつも管理されている、自由がない、ぎりぎり生活を強いて私を追い詰めているとだんだん夫を恨むようになっています。こうした状況が生まれると、ささいなきっかけで夫に対する強い不信が生まれ始めたりします。特に、家計をうまくやりくりしていると信じている夫に限って、自分中心に考え、妻に上から目線で細かく指示をだしたりします。

 家庭内でもパワハラモラハラという言葉が使われます。つまり、夫が妻を従属させていて、妻のやりかたにあれこれ非難する手法です。妻は人として尊重されていないと感じるようになり、夫婦関係は破綻していきます。

そして、ある日、妻は子供を連れて出ていきます。
 夫が自宅から帰ってくると、誰もいない。テーブルの上には書置きがあり、もうがまんできません。あなたと一緒に生活できません。などと書かれています。

 妻はもうがまんできない、この夫のもとにいては自分の人生は一生自由がない、人間らしい生活をしたいなどと思います。夫の側は妻は何も反論できないなどと自分が正しいと思っているかもしれません。しかし、給料を明かさず、ぎりぎりの生活費しか渡さないというやり方をした時点で、すでに根本的な誤りが生じていることを気づいていません。

捨てられた夫はとてもみじめです。
 妻が夫を見限って子供を連れて出ていくと、もうどうしようもありません。夫はとてもみじめな気持ちになり、妻に対するありかたを悔やんでも妻は許してくれません。

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