№2109 データに意味を持たせる
最近「数値化仕事術」(PHP)を読んでいる。簡単だがなかなかおもしろい。
なんでもデータに意味を持たせることが大切なのだそうだ。
インフォメーションは「データを整理し,意味を持たせるもの」という意味らしい。データは単なる数字の羅列だ。そこには整理が必要だ。たとえば,データを顧客層に分けてみるとか,地域ごとに分けてみるとか,整理されてこそ意味が出てくる。
この分析の視点はかなり直感力が必要となる。何となく漠然と感じていたことを実際にどうであるかを確かめるためにデータが整理される。最近独身中高年女性のお客が増えているのではないかと,漠然と感じているところを,データをとってみると,なんと5割程度だったのが8割台になっているなんてことはよくある。
みんなでデータの仕分けをしてみよう
この何となく感じるというのはある種「現場情報」と言われているもので,かなりセンスがいる作業のように思う。一人では限界があるかもしれないので,現場を知っている何人かに集まってもらい傾向を討議する。そして,データ整理の視点を作っていくのだ。このデータ整理の視点は,「データを分ける」という作業になる。
データが整理されると、新しい知識が生まれてくる
データが整理されて,インフォメーションの地位に達すると,そこから一定の法則や方針を作り上げていくことになる。中高年女性のお客が増えているのは自立した独身女性は将来に不安を感じて,備えている。こうした女性に対するサービスの強化が必要だ。
というのように,整理された情報が新しい事業戦略を生み出すよう,整理されたデータから知識(ナレッジ)を引き出していく作業が求められる。こうして,データ,整理,法則の発見,決断に導いていくことになる。
私はイノベーションはこの瞬間に生まれると思う。
「ちかごろ何か変わった」「これをやれば儲かるんじゃないか」
→ 「データを整理するとその傾向は顕著だ」
→ 「この傾向は社会の特定の変化を示している」
→ 「社会の変化の原因はこれだろう」
→ 「変化の原因にターゲットを絞った戦略を作ろう」
→ これは新しい戦略だな(ここでイノベーション発生)。
→ やってみよう。
→ 効果が出た(イノベーションの完成)
とまあ,現場情報を整理するとはかなり重要なことだ。