№1880 古事記は下半身がお好き
陰(ほと)などは頻繁に出てくる。ほかにも糞、尻、厠といった言葉も普通に使われている。
たとえば、天照大神(アマテラスオオミカミ)が素戔嗚尊(スサノオノミコト)にいじめられたときには神殿に「糞」をまき散らした。皮を剥いだ馬に驚いた機織女(はたおりめ)は「見驚きて」、梭(ひ)が陰部に刺さり死んでしまった。
天照大神が天の岩戸にお隠れになった時、アメノウズメは「神懸かり」して踊り狂い、「ほと」を露出して「裳ひもほとにおし垂れき」という具合で、そらへんの変態サイトを見ているようだ。八百万の神はウズメの踊りに「ともにわらいき」している。
このヒメのお母さんセヤダタラヒメも美人で、みそめた神様はヒメが「大便(くそ)まる時に」矢に化身して、大便の溝にそって「流れ下りて」、その美人の「ほとを突きき」、ヒメは驚かされた。ヒメは矢を持ち帰ったがその矢は神の体に戻り、そのまま結ばれて生まれたのが「神の子」たるホトタタライススキヒメだった。
何も大便しているときを狙わなくてもよさそうなものだが、神話の世界ではこれでなければならななかったのだろう。似た話は古事記のほかの箇所でも出てくる。
新羅の赤玉の話がある。これは「賤しき女」が沼のほとりで寝ていると、神様が陰部に光を当てて、妊娠させてしまった。そして生まれたのが赤玉だ。赤玉はやがて美しい女性にかわり新羅の王と結婚したのだが、なぜか祖国が日本だったらしく、女性は難波に逃げ帰っている。
こんなのはあげたら切りがない。しかし、不思議なのは女陰はやたらと出てくるが、男根は全くといっていいほど出てこない。イザナギ、イザナミが結ばれたとき、男根は「成り成りて成り合わざるところ」と表現されている。この一カ所ぐらいかな。
名古屋E&J法律事務所へのお問い合わせはこちら