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№1355 尾張熱田は名古屋のほまれ

№1355 尾張熱田は名古屋のほまれ
 尾張と言えば熱田,かつては名古屋の中心は熱田にあった。熱田神宮は今でこそ陸に囲まれているが,昔は海に面していた。東海道五十三次「七里の渡し」とは熱田・桑名の航路だが,熱田側は神宮そばの渡し場だ。


 熱田が面していた伊勢湾は木曽三川という我が国有数の河川の河口でもある。木曽三川から注がれる土砂は巨大な干潟を作り上げていた。万葉集では、「桜田へ鶴鳴き渡る年魚市潟潮干にけらし鶴鳴き渡る」(高市連黒人)という歌がある。広大な干潟に飛来する鳥たちの賑わいを歌った歌だ。

 今ではすっかり埋め立てられていて,その面影はほとんど無くなっている。どれほど,大きな干潟が広がっていたのだろうと,失われたことは残念でならない。この広大な干潟は「あゆち潟」と言われ,「愛知」の語源ではないかとも言われている。

 あゆち潟に面していた熱田神宮天照大神がまつられている。ご神体は実に草薙の剣だ。その昔,日本武尊が東征の後,帯していた草薙の剣を熱田神宮に奉ったのが由来だ。しかし,確か,草薙の剣は平家とともに海の中に沈んじゃったのではなかったのかな? でも第二次世界大戦後は米軍に没収されては大変だというので一時疎開したことがあったというから,確かに今でもあるらしい。

 日本武尊には恋人,宮簀媛命 (みやすひめのみこと)がいて,熱田神宮には今でもまつられている。日本書紀古事記よると日本武尊伊吹山の神と戦って亡くなり,その後白鳥になって飛び去っていく。記紀の中でも最も美しい物語の一つだ。

 経済のあるところ文化もあるということで,熱田では都々逸発祥の地でもある。