№1836 ビジネスモデルだけでよいか?
ビジネスを展開する場合、私たちは常に「私たちの顧客は誰か?」という問いを問い続ける。顧客のセグメントを明確にして、私たちを支持してくれる顧客の動きを読みつつ事業を展開する。
私たちは顧客はなぜ私たちを支持してくれるかを繰り返し考えることになるだろう。顧客は商品だけでなく、便利さを求めてコンビニエンスストアにやってくる。その便利さの正体は何か? 便利さをさらに優位高めるためには何が必要か? という具合だ。
コンビニは文字通り「便利さ」がコンセプトだが、このコンセプトに従い、個人事業主中心のフランチャイズを行い、一方で各店舗に対してコンセプトの徹底を図るための集権化を図っている。さらにコンビニ間の競争を勝ち抜くため、商品開発のシステムを作り上げる。
私たちが学ぶべきはコンビニというビジネスモデルだけではない。一つのビジネスモデルが成功を収める場合、その発展の過程を学ばねばならない。「便利」を磨き上げるためにいくつもの手を打っていく。大量の顧客の動向も分析していることだろう。トイレも利用させ、銀行も備わり、電気料金の支払いを受けることもできる。インターネット上購入した商品も受け取ることができる。日に日に磨き上げられていくことだろう。この磨き上げた結果は大きな競争優位をもたらすことだろう。
このコンセプトを磨き上げる場合、基準は顧客の満足にあることは言うまでもない。私たちは私たちの顧客を具体的に思い浮かべ、顧客がこのコンセプトに対して具体的に何を求めているかイメージする。顧客が自社に対して、どこに「足りず」感じているかを具体的にイメージすることになる。この「足りず」は競争優位の源泉となろうし、時には大きなイノベーションを生み出す。
私たちは今日の経営学から多く学ぶが、単なるビジネスモデルではなく、利益を生み出すための競争優位のあり方、作り方を学ぶことができる。それは、「便利さ」の追及に際しても、「足りず」の追及にしても、経営学が築き上げている、さまざまな解析ツール、思考ツールは、大きなヒントを与えてくれるだろう。
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