名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

名古屋,豊橋,東海三県中小企業法務を行っています。

№1503 自分の商品は何か

№1503 自分の商品は何か

 私が所属している中小企業同友会ではいろいろ集まりで自分の経営を発表する場がある。中小企業法務を専門としているが,ある会員から「籠橋さんの言う中小企業法務って何ですか」という質問を受けた。

 事業を実施する上で最初の問いは「自分の顧客は誰であるか」あるいは「自分は誰から支持を受けてきたか」というのが大切だ。自分は社会に支持されてきたから商品が売れ,企業として存続できた。まず,この点の問から始めなければならない。

 自分の事業戦略上,顧客の分析をし,どのような層の顧客を開拓していくか,支持を広げていくかを考えることになる。それは自分の商品の内容,商品の売り出しの方法,売り出す側の体制など全ての資源の質と総量と相談しながら新規顧客の獲得という課題を作り上げていくことになる。

 さっきの会員の質問は事業戦略を展開する上で「自分の商品は何か」ということを尋ねられた。顧客の分析は熱心だが,あるいは会社経営のあり方も熱心だが肝心の商品の内容はどうなっているのだという厳しい質問でもある。

 弁護士業界という自分の「業界」の中で「中小企業」という特別な領域はあるのか。中小企業法務と言ってもどこが普通の法務と違うのだ。
 「中小企業法務」というグループの中で他の弁護士と差別化できるほどの商品になっているのかというのが,「籠橋さんの言う中小企業法務って何ですか」という質問の真意だろう。
 
 中小企業法務というからには中小企業特有の諸問題に対応することになる。特に中小企業の場合,所有と経営と一体化していることが多いため,法務上の判断は経営判断を伴うことも多い。この経営判断に踏み込むことができる点が中小企業法務の重要な点だ。

 また,中小企業の場合,経営資源が限られているから法務部を独自に置くことはできない。中小企業の「法務部の共同所有」というようなサービスが当事務所の理想型だ。当事務所が大企業の法務部並みの専門性,迅速性,戦略性を備え,それを中小企業が共同所有するというのが当事務所のコンセプトだ。

 中小企業は規模が小さいから中小企業となっている訳だが,当然,経営的な体質が必ずしも強くない。対銀行,対税務署,対顧客と対応するべき手強い相手も多い。この中小企業の弱さを法的方法によって補強できるかというのも中企業特有の問題ではある。