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№927 企業成長の駆動力

№927 企業成長の駆動力 
  中小企業家同友会では経営指針作りを進めている。これは会社のマネジメントのあり方を文書化して客観的になることで、経営の安定、持続、発展をはかろうとするものだ。同友会では経営指針を「経営理念」、「経営方針」、「経営計画」と段階づけて徐々に経営のあり方を具体化していくことにしている。

 当事務所で言うなら次のような感じになるだろうか。
① 経営理念:愛と正義の法律事務所
② 経営方針:私たちの顧客を中小企業、交通事故被害者、不特定多数顧客と分類して経営理念に従いサービス内容を決め、潜在する顧客に働きかけていく。また、全てのスタッフが職業を通じて生き甲斐をもてるよう、社員相互の連帯、生活の安定、活動による社会貢献を重視した経営を行う。
③ 経営計画:短期、中期、長期に分けて事務所の当面の活動並びに将来像を明示する。

 こうした作業は中小企業家同友会でなくとも多くの企業が実践している。企業で経営戦略を作り上げる際、理念は何か、事業計画の課題は何か、事業がなすべき行動は何か、と言った問いを続ける。それは経営指針作りと重なる。

 ただ、同友会の経営指針が特異なのはやはり「経営理念」をきわれて重視している点、経営指針作りのために会員相互で話し合ったり、時には社員たちとも話し合ったりして多くの意見を取り入れつつ作り上げている点だろう。

 経営学の教科書によると、こういった経営戦略の意義を次のようにまとめている。
① 経営戦略は、企業成長の可能性を決定する意思決定である。
  経営者は経営戦略づくりを通して、自らのドメインに対する確信と疑問を持ち続け、企業の成長を図ることになる。

② 経営戦略は、企業組織のメンバーに共通目標を提供する。

③ 明快な経営戦略の策定は、従業員の活性化に貢献する。
  従業員は何かしらのやりがいを求めて活性化する。経営戦略により成長の方向が示されることで、従業員は何をやるべきか自覚し、やりがいを持つようになる。

④ 経営戦略は新しい経営戦略の認識への指針を提供する。
  経営戦略は今に止まらない姿勢を示すものであるから、その作成はすでに今の経営戦略の見直し作業が含まれている。それが、次のステップへの活動を保障する。