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№1369 会社顧問の役割

№1369 会社顧問の役割
 顧問弁護士の役割はないようなあるようなところがある。
 順調に動いている企業については日常的な顧問契約は必ずしも必要ない。しかし,中小企業の場合,常に順調でもない。よく整理すれば行うべき課題は存在する。顧問弁護士の役割はこんなところではないだろうか。

1. 日常法務の相談
  日常業務について少しずつ気になることがある.。社長が日常的に気になることがあった場合にその都度問い合わせがある場合がある。税理士に印紙代を聞いたりするのに似ている。そういう顧問の使い方もある。
  たとえば,何か思いつき,商標違反では無いかとか,あるいは労働法制上の問題は無いかとか,公正取引委員会を利用できないかとか,なにかかにか思いつく。そういうのを気軽に相談する例もある。こうした相談は意味があるのもあるいし,意味のないものもある。これは社長の法的思考の鍛錬にもなる。

2. 日常的なトラブルの対応
  日常的なトラブルについては通常社内で処理していく。しかし,中にはどうしようもない例もある。たとえば,モンスターカスタマーのような場合,社員ではどうしようもない。金額としては小さいのだが,社内的には深刻な問題に発展するような例もある。こうした小さいが深刻なトラブルは顧問契約でも無いと引き受ける弁護士はない。

3. 会社の基本的な問題点を整理する。
  日常的には問題がないように見えても会社として本来きちんとしなければならない問題は存在する。
  事業承継をしなければならない。債務超過であって超過部門を分離しなければならない。急激な会社の成長に社内の体制が不十分で労働契約を整備しなければならない。銀行対応が非常に難しくなっている。こうした,個々の会社特有の問題がある。顧問弁護士は社長と協議し,この際,解決しておくことになる。

4. 非日常的な重要な契約
  いつもどおりの契約であれば問題は無い。しかし,日常にない契約をする場合には必ず顧問弁護士と相談するべきだ。それも早い段階がよい。
  たとえば,巨額な設備投資をして事業連携を図るような場合,相手方会社との交渉が進められる。業務提携契約も提携することになるだろう。そういうときの契約は弁護士と事前に協議するべきだ。
  あるいは,銀行から金融商品を依頼されたとか,M&Aを考えているとか,海外への投資をはかるとか,それまでに無かったし,今後もそう多くはないだろうというような契約の場合には顧問の弁護士を立ち会わせるべきだ。

5. 社長,社員のプライベートな相談