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№401 中小企業の金融を考える。

№401 中小企業の金融を考える。
(中小企業と金融)

 不況下にあっては金融が命綱だ。当面のキャッシュフローがショートすれば企業は立ち行かなくなる。しかし,そのための対応策は限られている。
 ① 融資条件の変更,②追加融資,③条件変更を含んだ追加融資

 さらに,いずれにしろ,中小企業の場合,銀行プロパー融資は難しい。どうしても,保証協会など政府系の金融機関を利用した融資がどこまで広がるかということにつきる。
 
 返済条件の緩和や追加資金の獲得については,一昨年に世界同時不況が始まって以来,刻々と状況が変化している。金融機関も担保や保証人でリスクをはかっていたものが,徐々にそれ以外の事情,会社の将来性などを考慮するようになっている。

 金融円滑化法が制定されて,さらにこの傾向は促進するだろうと期待される。

 この間,金融に関するいろいろな相談をしてきたのであるが,決算報告書を正確に示し,事業計画書を示し,後継者のあり方を示す,など金融機関に提出する書類,金融機関に伝える内容は決まっている。たたし,今日の情勢から言えば,金検査マニュアルや,円滑化法の考えを示しながら,これらの資料を提示することが交渉のやり方だろう。

 しかし,これだけでは何か足りない。
 昨今の不況についてはすでに融資の問題を超えている気がする。つまり,昨年中の対策は,早晩不況は脱し,若干でも回復するだろう,そのときまでのしんぼうという感じだった。だから,短期融資対策というのが必要だった。ところが,現在の不況はもっと長期化しそうだし,2番底,などという言葉まで出ている。

 現状は,融資では処理できない。もっと,物理的な援助,雇用調整のための援助,当面の生活のための援助,何らかの仕事を直接増やす景気刺激策,こうしたものが必要だ。
 
 銀行もいつまでも,リスケに応じるわけにはいかない。銀行がもたなくなったら,貸しはがし貸し渋りが現れるだろう。そのときには銀行倒産の危機だって考えられる。