№376 本当の意味での社長の信用
一度、失敗した者は信用を失う。
しかし、一度失敗した者は本当の信用を獲得する。中小企業論研究の先生から、またお手紙をいただいた。「目からウロコが取れるような」内容なので紹介したい。
敗者復活のルールを我が国にも作る必要がある。
なお、このお手紙は「社長の信用」http://blogs.yahoo.co.jp/lawyerkago/30441504.htmlに対するものだ。
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いつもながら興味深い内容の論説を有難うございます。
今回のブログで述べられている「一度破綻した社長の信用」については、日本のように過度に警戒して、事実上「経営者」としては抹殺されてしまう人が多いのは、実にもったいないことだと考えています。
昔、日本からの鉄鋼輸入の増大で致命的打撃を受けたピッツバーグ市を調査したことがありました(具体的内容は中同協の「中小企業家新聞」に連載した記憶です)。この町では失業者が急増したのに対して、寄付を集めて「ベン・フランクリン協会」という小規模経営支援団体を設立し、経営指導とセットで小規模企業創出事業をしていたのですが、当然事業に失敗する人も少なくありません。その際、事実上3回まではエントリーする権利を認めていましたが、優先順位としては(これも事実上ですが)失敗者優先制を取っていました。理由は、①すでに経営者になるための事前指導を受けていること、②失敗したとはいえ事業経験を持ち、失敗から学んだことも多いはずだから、再び失敗を重ねる可能性は相対的に低い。したがって自立できる確率が高いと判断されるからでした。
わたしは、この判断は大変合理的だと感心しました。日本ではそうならないのが残念ですが、ご参考になれば幸いです。