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№212 キャドバリー物語。企業に良心はある?

№212 キャドバリー
 ベルリンにいます。ベルリンは美しいまちです。都市設計にも思想があり,日本の都市計画とはかなりちがうようです。今回はイギリスの話です。

 企業は良心を持つか?

 キャドバリー(Cadbury)と言えば,世界屈指のお菓子の会社だ。チョコレートが有名だが,調べてみるといろいろなお菓子を作っている。チューインガムを発明しているし,ミルクチョコレートも作っている。

 キャドバリー・ジャパンによると,1824年にキャドバリー兄弟がイギリスのバーミンガムでコーヒーなど食料品店を開店し,その後発展し,1854年には、英国王室御用達企業にまで発展していった。その間,わずか30年である。

 さて,重要なのは次の点だ。
「1879年にキャドバリー社の工場はバーミンガムからもっと広大な土地へ移転することになりました。バーミンガムから6.5キロ程南の交通の要所を、地元のボーン川とフランス語で「町」という意味を持つ「ヴィル」という言葉を組み合わせて「ボーンヴィル」と名づけました。キャドバリー社は「ファクトリー・イン・ザ・ガーデン」というコンセプトのもと、ボーンヴィルに工場だけでなく、病院や学校などを設立し、キャドバリー社で働く人々とその家族が、日々安心して暮らせるような街づくりを行いました。」
キャドバリー・ジャパン http://www.cadbury.jp/company/development.html )

 このボーンビルは田園風景の中に田舎風の住宅を維持するという構造になっているいるらしい。ボーンビルトラストという財団によって景観は厳格に維持された。町にはチョコレート工場と労働者のための住宅をこの場所に建設し、合わせて教会や学校・公園・病院・図書館など日常生活に必要な施設を一体的につくった。
   http://www.sumai.city.osaka.jp/media/public/download/england_196.pdf

 町は現在でも生きていて,キャドバリー社はさらにテーマパークと組み合わせている。この初代,2代目カドベリー(なまってキャドバリーと呼ばれている。)さんはキリスト教的博愛主義からまちを作り上げていった。結果,企業は発展し,社会貢献し,商品は支持されている。まさに「三方よし」だ。