名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

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№64 ウサギが法廷に来た日(駄文で失礼) その2

 先週はワシントンDCに出張していて,中小企業法務を勉強する暇がありませんでした。駄文で失礼。ウサギ,その2です。

 裁判所がウサギを呼び出して,またまた世の中は大騒ぎとなった。天声人語はおもしろい,裁判所もなかなかやるななどと書き出した。でも,裁判所の命令をよく読むとこうだ。ウサギが一人で訴状を出すはずはない,きっと誰か人間がいるのだろう,裁判所はその人間を法廷に呼び出そうとしたのだ。しかし,世間ではそんなことは分からない。第一,人間の話にしたのではおもしろくない。

 そういえば,中世ヨーロッパにはやはり動物裁判というのが現実にあった。ネズミが畑を食い荒らすというので困った農民がネズミを宗教裁判にかけたのだ。裁判所は訴えを受理し,ネズミの裁判が始まった。裁判所は3度,廷吏をネズミの畑に派遣し,出頭命令を読み上げた。しかし,ネズミは来ない。シャサネさんという大弁護士がネズミの弁護人となり,裁判が始まった。あのかわいそうなネズミは法廷に来るには小さすぎる。途中には川もあり,猫もいるなどとシャサネさんは懸命な弁護活動を行った。
 
 もちろん,アマミノクロウサギが法廷に来ることはない。アマミノクロウサギがいくら絶滅が心配されていると言っても1500頭(羽?)ぐらいはいる。本当はどこのアマミノクロウサギさんか特定しなければならない。人間ならば、名前がないと住所不定として、写真を添えるところであるが、ウサギには巣穴があるし、写真は難しい。ともかく、裁判所の対応に困った私達弁護団は本当は人間なのだと暴露し,アマミノクロウサギこと○○という人間の原告ということで裁判を始めた。もちろん,これは作戦通りである。

 こうして,ウサギの裁判の第一ラウンドは幕を閉じた。しかし,ウサギの事件はエピソードに事欠かない。「自然の権利」を主張したこの裁判は歴史に残る裁判となった。(つづく)