名古屋・豊橋発,弁護士籠橋の中小企業法務

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№1875 メディアワーク

№1875 メディアワーク

 私たちの事務所は環境保護活動を応援している。弁護士だから環境訴訟を引き受けることで貢献することになる。この環境訴訟ではメディアとのつきあいはとても重要で、弁護団ではメディアワークが常に議論の対象になっている。

 派手なパフォーマンスはメディアを惹きつける。
 極端な行動は良くも悪くもメディアを惹きつける。グリーンピースが反捕鯨を訴えてゴムボートで捕鯨船に突っ込むのも別にゴムボートで捕鯨船の動きを止められるというよりは果敢に挑戦する姿を市民にアピールするためだ。

 裁判でも私たちはどうやったらメディアを惹きつけることができるかを真剣に議論する。時には集会だったり、デモ行進だったり、あるいは国会前座り込みだったりする。動物を原告にして裁判したが、これもメディアワークという点からも重要だった。

 社会を動かすだけの内容がメディアを惹きつける
 はでなパフォーマンスがメディアを惹きつけるのは一時のことだ。メディアが持続的に取り上げていくためにはそれだけの内容がなければメディアの興味は持続しない。これは商品内容が優れていなければ結局メディアが取り上げなくなるのと同じだ。

 この場合、私たちは担当した事件がいったい社会の中でどのような問題であるかを明らかにする。たとえば公害事件などでは、行動経済成長下でのひずみが弱者に押しつけられていることを訴える。公害反対を唱えて「青空をもどせ」とか、小田急の地下化を訴え「もぐれ小田急」とか問題の本質を短い言葉で表現するよう努める。自然を原告にした裁判では人は自然界の一員でしかないにもかかわらず傲慢に振る舞っていることを訴えている。

 つまり、その裁判が訴える新たな未来像がメディアを持続的に惹きつける。
 私たちはそのために研究者の意見を聴取し、社会情勢を分析し、国や大企業側がどんなキャンペーンを繰り広げようとしているかを判断する。そうした中で、自分たちの裁判が持っている大義が最も効果的にアピールされるよう工夫するのだ。

 私が担当したウサギ原告の裁判はメディアワークが教科書のように展開した。人は自然の一部でしかない、自然に対してもっと謙虚になるべきだ。本当の幸せは自然とともに生きるところにある。誰だって、きつねの幻灯会に招待されれば幸せと豊かさを感じる。トトロにいる森に住んでみたい。私たちの戦略は成功し、鹿児島県や政府を動かしていったのである。

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