№1901 失敗は成功の基
失敗は成功の基。こんな簡単なことわざも経営者は忘れがちだ。
失敗から得られるリターンとは何だろうか。失敗から情報を引き出し、組織内で教訓化できれば次は大きなリターンとなる。
こうしたリターンを明確にすることはリスクをおそれない勇気となってあらわれる。堅実であると言い訳しているうちにチャンスを失い、身動きとれなくなる経営者は少なくない。
この失敗によるベネフィットを引き出し,社内に定着させるには「ひらめきある経営センス」が試される。
① まず、自分が失敗していると考えるかどうか。
② 失敗を直視し、振り返りについて創造的な視点を用意できるか。
③ 振り返りから得られた情報を正確に把握できるか。
④ この情報から核心的、創造的な教訓を引き出すことができるか。
⑤ 教訓を組織的に共有できるか。
1985年、コカコーラは一度味を変えたことがあった。このニューコークに対しては古い味を愛する消費者から苦情が殺到し、わずか3ヶ月でこれをやめることになり、従来のコーラをコカコーラ・クラッシックという名称で売り出し、現在ではもとのコカコーラになっている。このカンザス計画と言われるニューコークの失敗はコカコーラに大きな教訓をもたらすことになった。
NASAには「前向きに賢く失敗」という言葉あるそうだ。「英雄的失敗」を表彰している企業もある。
ロンドンビジネススクール教授ジュリアン・パーキンショーのエッセイでは失敗から教訓を引き出すための「トリプルF」というレビューを進めている。
① 迅速(fast)で的を得ている。
② 業績の善し悪しにかかわらず頻繁に(frequently)に行われる。
③ 学びに重点を置いて前向き(forward- looking)である。
ただ振り返ってもだめだ。最後は「前向き」、つまり創造性を発揮する科学的視点から新しいものを正しく生み出そうという気概があってこそ「失敗は成功の基」だ。
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