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№1725 忙中に閑有り

№1725 忙中に閑有り

 安岡正篤は「昭和の師」と言われたり、「昭和の黒幕」と言われたり、なんだかおどろおどろしい感じがある。何でも朱子学の大家だそうで多くの人に慕われている。右翼の精神的指導者なので、私はそれだけできらいです。

 でも、安岡正篤は多くの人に慕われるだけあって、彼の言葉にはおもしろい言葉がある。「六中観」などは非常に味わい深い。何でも百朝集、後漢書などの中の言葉だということだ。     

  死中有活
  苦中有楽
  忙中有閑
  壺中有天
  意中有人
  腹中有書

 中国の古典が原典なので、中国語にもあるか思ってちょっと調べてみた。
  死中有活 → 死中求活
   中国語ではこんな現代語訳になっていた。「男儿当死中求生,可坐穷乎?」、「男子たるもの死中に生を求むべし、座して窮すべけんや」ということでしょうね。

  忙中有閑 → これは中国でも使われていた。
   一般的には「忙里偷闲」、とか、「忙中偷闲」となっていて、「偷」、盗むとかくすねるとかいった意味が使われている。原文が「忙里偷闲」なので、そのまま使われているところか。

  「死中に活あり」などは中小企業家にとっては本当に座右に銘にしている人は多いでしょうね。ほんと、九死に一生を得た瞬間は誰も感じたことがあるのではないでしょうかね。

  大忙しの中でも、わずかな時間を盗み取って自分の楽しみや人生の余韻を楽しむだけの心の余裕はほしい。「忙中に閑あり」もいい。「閑」という言葉がまたいいじゃないですか。

  「壺中に天有り」、自分だけの大切な時間、空間など「大人の・・・」とか「隠れ家」とか表現されているけど、何も贅沢しろという訳ではないでしょうね。通勤途上に小さな草に花が咲く様子を楽しんだり、春になってウグイスやメジロがやってくるのを楽しんだり、そんな瞬間に「天」を感じる深い余裕があっていいですね。


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