№1938 いつするかも大事(「営業の哲学」より)
「営業の哲学」(高野孝之著)によると、「いつするかも大事」だという。
行動のメリハリこそ大切
「今日もがんばるぞ」と気合いだけ空回りするだけではダメで、がんばるぞと夜、朝に集中して仕事を処理するのもだめで、一流営業マンは「ゴールデンタイム」、つまり、その仕事をする上で最も効率のよい時間を選んで作業するのだそうだ。
サッカーのトッププレーヤーは90分の試合時間中、ボールを触る時間は2分と言われていることを例にあげ、大事なのは大事なときに集中するという行動のメリハリだと筆者は指摘する。顧客を知り、己を知れば百戦危うからずだな。
要するに自分をマネジメントする能力
このゴールデンタイムをつくるというのは、自身の仕事の目的が明確であって、成果の基準も明確であって、そこから何をするべきかも明確であることがひつようだ。顧客の動向もよく理解し、いつ何をすれば効果があがるかが理解されていなければならない。
この本の一貫した「哲学」なのであるが、結局、一流営業マンは自らの仕事や、人生に対して高いマネジメント能力を持つというところに落ち着いていく。
忙中に閑あり
「忙中有閑」とは安岡正篤が「六中観」の中であげている言葉だ。忙中に閑あり、中国語では「忙里偷闲」となっていて、忙しい中「閑」を盗むという表現になっている。宋、唐時代の漢詩に出てくる。忙しいと言っているのは自分が忙しくしているだけで、忙中にあっても時間を見つけ出してくるだけの力量が必要だというのである。
この「閑」の意味についてはいろいろあるだろうが、仕事にメリハリをつけ、余裕を作り上げるということになる。これは時間的な余裕ということもあるが、何か心を虚しくして人生そのものに深みを持たせる瞬間を作り上げるという意味もあるように思う。
スマート営業マンを目指そう
著者はゴールデンタイムだけのことを述べていない。「3B(Bus, Buth, Bed)」バス、お風呂、ベッド、つまり何もしないときのひらめきというのも大切だと言っている。ジャック・ウェルチさんもシャワーの時に思いつくとおっしゃっているそうだ。
モーレツ営業マンは昭和の遺物だ。いまやスマート営業マンこそ一流となっている。
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