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№1715 ハチドリ、驚異の共進化

№1715 ハチドリ、驚異の共進化

 生物界の言葉に共進化という言葉がある。ウィキによると次のように説明されている。

 共進化(Co-evolution)とは、一つの生物学的要因の変化が引き金となって別のそれに関連する生物学的要因が変化することと定義されている[1]。古典的な例は2種の生物が互いに依存して進化する相利共生だが、種間だけでなく種内、個体内でも共進化は起きる。

 たとえば、ハチハシドリがそうだ。
 ハチドリは花の蜜をすって生きている鳥だが、花に合わせてくちばしをいろいろな形に進化させている。
「ある種のハチドリは特定の植物と密接な関係をもっています。ヤリハシハチドリのクチバシは非常に長く、最長では全長10センチメートルを越えます。このような長いクチバシでないと、非常に長い花冠をもつトケイソウの一種パッシフロラ・ミクスタの蜜を吸うことができません。」

 ヤリハシハチドリはパートナーのトケイソウを選択して相互に関係しながら進化していった。共同して進化することで、他のハチドリや昆虫の参入障壁となり、競争上の優位を獲得している。パッシフロラ・ミクスタだって、受粉の利益を独占的に得ることができる。

 もちろん、生物は必ず環境に合わせて進化しているので「共進化」が特別という訳ではない。結局のところ、どんな進化の戦略を選択したかによって、ニッチの範囲が違ってくるということだ。

 共進化のたとえはしばしば経済学の世界でもたとえられる。つまり、異質なものが相互に補完し合う関係に至ると新しい商品、新しい事業の形態、新しいネットワークができるという考え方だ。イノベーションの源泉は何かと何かの相互関係の発展にあるという考え方だ。確かに進化は何かと何かの相互関係の中で生まれている。環境に最も適応した者が競争上の優位を獲得し、生き残っていく。それがイノベーションだ。

 ヨーゼフ・アーロイス・シュンペーターオーストリア・ハンガリー帝国出身で、19世紀から20世紀に活躍した経済学者だが、経済活動の過程でイノベーションが絶えず生まれて発展していくという議論を展開した。彼はイノベーションを「創造的破壊」と呼んでいたらしい。そのイノベーションは様々な「新結合」によってもたらされ、それは経済内部に生じるものであるということらしい。彼の説によるとこの結合は5項目に分析できる。画像はウィキより。

 彼はほっておくと官僚主義がはびこりやがては世界が沈滞してしまう。それを救うのは起業家的な精神、さまざまな関係を作り出して「創造的破壊」を試みる精神が必要だと言っているようだ。
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