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№1567 法的リスクの検討方法

№1567 法的リスクの検討方法

 日常的な企業法務で重要なのが法的リスクの検討である。。
 どこでどんなリスクが待ち構えているかなどを順次検討する場合に私たち弁護士はどのような方法をとるだろうか。

 「事業活動によって利益を得る」という場合,通常は物・サービスを提供して金銭を得るということによって利益を得る。この物を売って,代金を得るという単純な関係は事業規模拡大とともに複雑化していく。

 そこで,事業リスクを考える上で,物の流れ,金銭の流れを順次整理していくことが重要になる。

 たとえば,
   材料→部品製造→製品組み立て→仕入業者→小売→消費者

 といった流れがある場合に,それぞれの矢印で,リスクを検討する。
  材料→部品製造,という「矢印」の場合,
   ① 材料は誰が供給するか。部品製造側か,部品発注側か?
   ② 材料の仕入時期はどうか?
     発注を受けて仕入れるのか,発注を見越して仕入れるのか?
   ③ 材料に欠陥があった場合は誰が責任を負うのか?
   ④ 材料が手に入らない場合はどうなるのか?

 などと言うようにいろいろ問題を想定する。

 矢印のないところにも無理矢理矢印を作って問題点を検討する。
  部品→消費者,という「矢印」の場合
   ① 部品に欠陥があった時に製造物責任はるか。
   ② 部品の欠陥が原因で消費者に大きな損害が発生した場合はどうか。
   ③ 部品交換はありえるのか。

 どんな契約でも基本的にはこのよう物の流れ,金の流れをたどることによりリスクを整理できる。海外展開などはさらに複雑なのであるが,商売というのは基本的に物の流れ,金の流れであることに変わりない。