私の事務所は顧問先など特別な関係がない限り刑事事件はしない。
しかし、国選事件は別だ。弁護士にとって国選事件はボランティアのようなところがあって、誰かが引き受けなければならないから、ある種義務的に行うことになる。
勾留中の被疑者に会いに行くこともある。テレビドラマの通り、透明なプラスチックパネルに仕切られ、被疑者と協議する。被疑者にとって、弁護人は外界とつながる唯一の窓という感じなので、非常に頼りにされる。
「先生、いつここから出られるでしょうか。」
「家族に連絡していただけますか。警察の中では衣類が足りなのですが差し入れるように言ってもらえませんか。」
「刑事はこんなことを言っているのですが、どうなのでしょう」
といろいろやりとりする。