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№830 昔、誰もが昆虫少年だった。

№830 昔、誰もが昆虫少年だった。
 昆虫少年というの言葉は今でも生きているだろうか。

 次男なーちゃんは虫が嫌いだ。セミには触ることもできない。甥っ子のツト君も同じらしい。周りを見渡してみると、虫とは縁のない男の子が意外に多い。私は誰もが昆虫少年だったと思っていたがずいぶん違うようだ。

 セミは昆虫少年にとってルーティーンワークだ。私たちはアブラゼミを手当たり次第にとっていたものだ。夏休み、日課のごとくセミとりに出かけ、虫かご一杯にセミを放り込んでいた。アブラゼミの茶色い羽の中に、クマゼミの透明な羽が混じることがあり、それが自慢だった。

 虫かごの中にクツワムシを入れてしまうという失敗をすることがある。ともかく捕まえればOKという昆虫採集では虫かごにヤンマもバッタも全て入れてしまう。気がついたら、クツワムシがヤンマを頭からむしゃむしゃ食べていることもあった。おおこわっ。

 昆虫少年も上級者になるとやはり甲虫類に凝りだしてくる。カブトムシやクワガタムシをいる樹木は決まっている。朝早く起きて、カブトムシのいる木までいき、根元を思い切り蹴る。寝ていたところを驚いたカブトムシが落ちてくる。これは早い者勝ちで、夜明け前私たちは虫取りに出かけた。

 タマムシは本当にきれいだ。虫を求めて炎天下を歩き回り、突然、タマムシが不器用に飛んでいくのに遭遇する。「あっ、タマムシだ!」と私は息をのみ、追いかける。夏のまぶしい空を見上げて、タマムシを追いかける時の気持ちは今でも忘れない。

 友だちの伊藤君が地面を見ながらうろうろしていたことがあった。何をしているかと私が尋ねると、ハンミョウを捕らえているという。昆虫少年を自認していた私はうかつにもニワハンミョウを知らなかった。瑠璃色と赤がまじった美しい昆虫は乾いた地面という何でもない場所にたくさんいたのだ。

 そして、人生で一番感動したのはオオミズアオといいう大型の蛾を見たときだった。父の職場の「若い衆」といっしょにキャンプに出かけたときのことだった。山小屋の電灯に大きな蛾がひらひらとゆっくりと飛んでいた。図鑑でしか見たことがない巨大な蛾、オオミズアオだった。