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№1625 たまには昆虫はいかが?「イモムシ」

№1625 たまには昆虫はいかが?「イモムシ」

 友達が海岸に住むイモムシを動画にアップした。環境保護に取り組んでいる。海辺にもイモムシはいるんだというのでびっくりしたが,案外いろいろいるそうだ。

 ところで,イモムシは「芋虫」と書いて,もとは芋の葉についている蝶や蛾の幼虫をさしてたらしいが,「蝶や蛾の幼虫で毛のないもの」ということらしい。毛があると毛虫になるんでしょうね。芋虫には足が6つあるが、それとは別に「疣足」が沢山ある。僕らが芋虫を捕まえたときに張り付いてくる足が「疣足」だ。読めます? 「イボ足」です。

                   疣足

 イモムシは堤中納言物語の「虫愛づる姫君」に出てくる。「烏毛虫」と書かれているが読めない。「かわむし」と読むらしい。
 希代の変人むしめづる姫君はこちら。

 蚕などは古来日本では大切にされていろいろ出てくる。古事記では大宜都比売神(おおげつのひめ)がスサノオノミコトに殺されてしまい,斬り殺された体,頭の部分から蚕が出てきたそうだ。オオゲツノヒメはかなり気の毒だ。

 イモムシで衝撃的なのは何と言っても,カフカの「変身」だ。自分がイモムシになるとかなりしんどいだろう。主人公は最後にはひからびて死んでしまった。

 ある朝、グレゴール・ザムザが気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変ってしまっているのに気づいた。彼は甲殻のように固い背中を下にして横たわり、頭を少し上げると、何本もの弓形のすじにわかれてこんもりと盛り上がっている自分の茶色の腹が見えた。腹の盛り上がりの上には、かけぶとんがすっかりずり落ちそうになって、まだやっともちこたえていた。ふだんの大きさに比べると情けないくらいかぼそいたくさんの足が自分の眼の前にしょんぼりと光っていた。
「おれはどうしたのだろう?」と、彼は思った。夢ではなかった。

 いやあ,この書き出しを読むと,学生時代の独特の気持ちがよみがえってきますね。哲学的でありたいとちょっと思い,ちょっとそれに集中して,難しくてちょっとの間でそのままになってますが。あの時の何となく好奇心に満ちていて,自由な感じがよみがえってきます。グレゴールが変身した虫ですが,イモムシという考えもあれば,何かの甲虫じゃないかとも言われたり,よくわかりません。

               カフカさん