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№655 今日は勉強会だ

№655 今日は勉強会だ
 今日はTKC租税判例研究会の例会に出席する。私は一応税理士の資格を持っているため、この勉強会に参加させていただいている。本来税理士さんたちの勉強会なので私のような門外漢にとっては勉強になるが、税理士さんたちには厄介者かもしれない。
 
 もっとも、「判例研究会」なので訴訟との接点があって、時々役に立つ。弁護士にとって税の知識が本の中でしかないように、税理士さんたちにとっても法律紛争についての問題点は本の中での知識でしかない時があるのだ。例えば、家賃滞納の場合の「信頼関係破壊」というのはどの程度のことを言うのだろうかとか、遺産分割の中で遺留分は実際にはどのように使われているのだろうかとか、そういう類だ。
 
 この勉強会に出席して、税務の専門的な議論の水準がどの程度かを推測できる。私たちが租税判例や、税務に関する本を読んだときに、その議論がどの程度実務的かを推し量る。そのイメージを描く。それに、何と言っても税理士さんは企業と接する機会が私たちより格段多いので、企業実務の実際が見えてくる。例えば、組織内の決済というのは企業によってまちまちなのだが、ある企業では営業、経理、社長の関係がこうなっている、別の企業はそこまでやっていないといった議論を知ることができて有益だ。
 
 異業種の交流会というのは単に経験交流するだけでも価値があるが、もっと積極的な軸が必要ではないかと考えている。つまり、何らかの共通の発想や共通の意識が必要ではないだろうか。特に弁護士と税理士との共同作業はこうした軸があると、とても有益だと思う。税理士業の近時の傾向は、営業コンサルのような分野にも踏み込もうとしていると思う。弁護士だって同じだ。そうなると共通の軸ができあがって創造的な仕事ができあがる。