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№415 まつぼっくり

№415 まつぼっくり
 最近は「まつぼっくり」に関心がある。最近は色合いが良くて、形がよい松ぼっくりを見ると「おおっ」と感動してしまう。

 ワープロでまつぼっくりを転換すると「松毬」となる。「毬」は「まり」、「いが」ということらしい。しかし、「ぼっくり」は「ふぐり」の音が変化したものだという。ふぐりとは袋のことだ。ちなみに「イヌノフグリ」という小さな花があるが、これは犬のキンタマという意味だ。確かに、イヌノフグリの種は「袋」を想像させる形だ。

 おお、またまた、キンタマの話題が。

 松と言えば、日本ではアカマツクロマツ、ゴヨウマツが有名だ。花札の「松」はゴヨウマツかな。松は古来めでたい植物で、能舞台の背景などにも使われている。この外にもチョウセンゴヨウ、ハイマツ、リュウキュウマツ、などなどいろいろある。

 日本の里山にはアカマツクロマツがたくさんあった。アカマツを実際に見ると、幹が赤みがかっていて、誰かが着色したようで、不思議な気がする。里山は柴などが燃料に刈られていたから、森林はなんとなく透明感があった。京都の嵐山など、明治のころの写真を見ると、今の嵐山とは全然違う。今はクヌギなどの照葉樹林がたくさんあるが、昔の写真では松が中心だった。

 松は日本だけのものではない。ヨーロッパ北部にはいろいろな松がある。ドイツでは松ぼっくり集めて、リースにしたりして飾りにしている。妻の話によるとトロッケン・クランツというのだそうだ。クリスマスになるとドイツではいたるところに、クリスマス市場ができて賑やかだが、花屋には大きな松ぼっくりが売られている。

 ヨーロッパの松ぼっくりで美しいのはなんと言っても、ドイツトウヒとヒマラヤスギだ。

 ドイツトウヒはなかなかないが、だいたい15cmから20cmぐらいの大きな松ぼっくりで細長く、とても美しい。松の実部分の一枚一枚が美しいトカゲの皮膚のようになっていると、なんだか、ヨーロッパ伝説のドラゴンの皮膚のようだ。これは触ってみる価値がある。

 http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/gymnospermae/pinaceae/doitsutouhi/doitsutouhi.htm 

 ヒマラヤスギはスギとなっているが、松の仲間だ。大きくまっすぐ伸びて三角になるので、クリスマスツリーにも利用される。特徴があるので、遠くからもはっきり分かる。大きな西洋館のお屋敷や学校、市役所など公共建物にも庭木に植えられている。普段は刈られてしまっているので中々実がならないが、中にはとても立派な木がある。実のなる木は限られている。

 http://kaede.nara-edu.ac.jp/plants_of_NUE/ichiranhyou/syokubutsupage/himarayasugi.htm

 ヒマラヤスギは縦12cm程度、横5cmの卵形の松ぼっくりを付ける。バラの花びらを一枚一枚薄く重ねるようなデリケートな松ぼっくりで、不思議な印象を受ける。季節になって巨木に松ぼっくりがつき始めると、何か大きな鳥の卵がたくさんくっついているようで壮観だ。壊れやすいことや、松ヤニが松ぼっくりから出るため中々、完全なものは手に入らない。完成型のヒマヤラスギは、その完成度にため息が出る。