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№2182 おいしい水

№2182 おいしい水

 無料のダウンロードが横行する中,iTMS(今のアイチューンズストア)にお金が払う人がいるかという問いに,スティーブ・ジョブズは「水道からはいくらでも無料の水が出てくるが,みんなお金を出してミネラルウォーターを買っているじゃないか」と答えたそうだ。なんだか禅問答のようで,意味深な答えだ。

 水道代は払っていたが,一昔前は「水」のイメージは確かに無料だった。

おいしい水
 ペットボトルの水は安全だから? これは言えるかもしれない。東南アジアに行ったりすれば水道水はあまり飲む気になれない。ミネラルがたっぷりだから? いいのかもしれないが本当のところ,それがどれだけ意味があるかわからない。スイスの山奥でとれたから? これはますますどんな意味があるかわからない。でも文化的色づけは確かにありがたい気がする。

水道水じゃないから? 
 ペットボトルの水はどこにでも気軽に手に入るというということに価値がある。水道水があって蛇口がないと飲めないが,ペットボトルの水は新幹線の中でも買える。この場合は私たちは,水にというよりは,ペットボトルや,物流とか,座席まで運んでくれるワゴンサービスとかに付加価値を見いだしていることになる。別にコカコーラでなくても水でもよかったのかな。

付加価値の多様性
 付加価値は多様に意味づけられる。多様な意味づけの差が,競争に打ち勝つ差別化だ。だとれば,差別化というのは一つの魔法の発明ではなく,たくさんの多様な意味づけの積み重ねということになる。 ただの水も,安全,ミネラル,文化的色彩,手軽さといろいろつけば値段が上がる。

わたくしは悔しいので水を持ち歩いています
 しかし,ライフスタイルから言えば,いつもペットボトルを持ち歩いて水道水を入れておけばいいんじゃないかと思ってしまう。

 ちなみに「おいしいみず(Água de Beber)」は、アントニオ・カルロス・ジョビンが作曲し1963年に発表したボサノヴァ。アルバム『The Composer of Desafinado Plays』に収録されている。私の大好きな曲の一つ。

        → https://www.youtube.com/watch?v=TKK1_4lv8ls 



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