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番外 生まれた価値があるのか

番外 生まれた価値があるのか

 私の出身高校である名古屋東海高校の同窓会(学園全体の同窓会ですが)、記念講演で卒業生のドリアン助川さんの講演があった。

 小説「あん」の作者で、この小説は人が人として生まれた価値を問う内容だ。講演ではわずか2歳で亡くなってしまった子供に生きていた価値あるのかと問う。そして、の目で見た世界はその子にみられるために存在したのだという。世界に役立つから価値があるのではなく、その子にとって価値があった世界であるかが重要なんだということなのだろう。

 「あん」の主人公の一人はハンセン病にり患して収容所に入れられていたのだが、主人公はある時美しい月を見て、あなたにみられるためにいると言っているように感じ、それから世界が変わったという。助川さんの講演はこの主人公の言葉で終わった。

 わたくしは最近とても苦しい。弁護士となり私は何も考えず、私の理想の弁護士となるべく、正しいと思う道をこれまでやってきた。弁護士としての道を究めるために生きてきたようなところがある。それが、ここに来て止まってしまい、どこかで大きな変化を作らなければならないというようなあせりが、ここ最近ある。そのあせりが正しいかどうかも私にはわからない。

 画狂人北斎は死ぬまで変化をし続けてきた。西行芭蕉も一身を風雅に託し「旅」を愛した。自分の人生を疑わず、一身を人生の大目標に託したいとの気持ちはわたくしには強い。人生は思い通りいかない。生きる上での制約はあまりにも多い。それでも、生きることに喜びを見出そうとすることは生命を持つ者の本来的な宿命だ。

  「あん」はあんこのあんです。映画化されました。

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